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<トルコ国民投票>独、新たな火種警戒 改憲派勝利で

毎日新聞 4/17(月) 23:59配信

 【ベルリン中西啓介】トルコの国民投票で改憲派の勝利を受け、人権問題を重視する欧州連合(EU)の中でもとりわけ、欧州最大のトルコ系移民らを抱えるドイツは懸念を強めている。独政府はこれまで、独メディアの記者を「テロ宣伝」容疑で拘束し、死刑制度の復活も辞さないエルドアン大統領と度々対立。改憲による大統領権限の強化が、新たな対立の火種になる可能性もある。

 「(国民投票の)結果は現状の政治課題について、トルコでは(我々とは)全く異なる解釈があることを示した」。アルトマイヤー独官房長官は独公共放送の番組で、人権尊重などの観点からトルコに懸念を表明した。

 また、独野党・緑の党の共同代表でトルコ系のエズデミル氏は「エルドアン氏がいるトルコのEU加盟はない」と述べ、トルコのEU加盟交渉を中止するよう求めた。

 選挙期間中、エルドアン政権の主要閣僚が訪独し、在独トルコ人への選挙運動を展開。国内法を適用し集会を禁止する独側をエルドアン氏は「ナチの手法」と批判し、外交問題化した。ガブリエル独外相は「まずはドイツでも行われた過激な選挙戦が終わって良かった」とツイッターで皮肉交じりに振り返った。

 一方で、昨年末にベルリンで過激派組織「イスラム国」(IS)支持者によるテロが起きたドイツだけでなく、EUにとって、トルコはIS対策の重要な協力国。これ以上の関係の冷え込みは回避したいのが本音だ。

最終更新:4/17(月) 23:59

毎日新聞