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中国・人民日報「友誼の旅で信頼促進」と会談称賛、北朝鮮問題は全く触れず 

産経新聞 4/17(月) 11:05配信

 中国の習近平国家主席は6日から7日にかけて、米フロリダ州パームビーチを訪れ、トランプ米大統領と会談した。両首脳は北朝鮮の核・ミサイル開発や、米中貿易不均衡を主な議題に意見を交わした。中国の官製メディアは「信頼を促進した」などと会談の成果を強調したが、米主要紙は目立った進展はなかったと報じた。一方、台湾紙「自由時報」は、「トランプ大統領は戦わずして中国に勝った」と評した。

 中国共産党機関紙、人民日報は9日付紙面で、米中首脳会談を総括し、習近平国家主席とトランプ大統領が「初対面の会談で新時代の中米関係発展の方向性を示した」などと会談を積極的に評価する国営新華社通信の記事を掲載した。

 見出しも、「中米関係のビル建設をより堅固に、より高く、より美しく」「友誼(ゆうぎ)の旅 相互信頼を促進」「協力の道 未来に向かって」など、会談をたたえるものばかりを掲げた。

 記事では、習氏がプレゼントを2つ用意していたことも明らかにしている。

 1つ目は、中国民謡と唐詩を中国語で披露したトランプ氏の孫娘たちに与えたパンダのぬいぐるみ。そして2つ目がトランプ氏に贈った一幅の書だ。

 「九層之台 起於累土 千里之行 始於足下」。老子の言葉で、「大きな建物といえども積み上げた土から成り、千里の道も一歩から始まる」。習氏が書に込めた思いはすなわち、首脳会談を開催した中国側の狙いといえる。

 米中両首脳が関係発展に向けて、すばらしい第一歩をしるしたことをアピールするからには、不協和音は封印する必要がある。記事では会談の主要テーマだった北朝鮮問題については全く触れていない。シリア攻撃も無視した。

 5年に一度の党大会を今秋に控える中で行われた今回の米中首脳会談。習氏としては、もうひとつ強調しておかなければならないことがあった。

 8日付の人民日報は1面トップに、ある写真を掲げた。初日の首脳会談のひとコマで、ソファに座った習氏が右手を少し前に出しながら、傍らのトランプ氏に何かを語りかけている。トランプ氏は黙って聞いているといった構図だ。

 中国は言うべきことを米国に主張し、米国も中国の主張に耳を傾けている-。習氏が写真を通じ、党内各勢力や国民に伝えたいメッセージは明らかだろう。(北京 藤本欣也)

最終更新:4/17(月) 11:05

産経新聞