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非関税分野 焦点に 東京であす開幕 牛肉や加工食品表示 日米対話

日本農業新聞 4/17(月) 7:00配信

 日米両政府の経済対話が18日、東京都内で始まる。米側は貿易赤字の縮小に向け短期間で成果を得たい考えで、当面は関税分野より非関税分野が焦点。初回は個別の議論に及ばない見通しだが、米側が関心を示す牛肉や加工食品の表示などで、今後日本に厳しい要求を突き付けてくる可能性がある。

 訪日するペンス副大統領と麻生太郎副総理がマクロ経済政策、インフラやエネルギー分野での経済協力、貿易枠組み作りの3分野で議論する。

 米国側は自由貿易協定(FTA)交渉に発展させ、農産物などの関税交渉に踏み込んでくる可能性がある。ただ、FTAは議会との調整や交渉に時間がかかる。来秋の中間選挙をにらみ、米政府は貿易赤字縮小の実績作りを急ぎたい意向で、両政府間では非関税分野で短期間の行動計画を策定する案が浮上している。

 非関税分野で米国側がこだわるのが牛肉だ。米通商代表部(USTR)が3月に公表した外国貿易障壁報告書では、牛海綿状脳症(BSE)による輸入牛肉の月齢制限の撤廃を求めた。現行では30カ月齢未満だけ輸入を認めている。

 米国でと畜された肉牛の9割超が30カ月齢未満で、現在でも多くが対日輸出可能となっており、仮に月齢制限を撤廃しても「大幅に輸入が増えることは考えにくい」(農水省関係者)との見方がある。米国でのBSE発生で止まった同国産牛肉の輸入は2006年の解禁後、増え続けており、こうした実績が月齢制限撤廃への過剰な期待につながっている恐れがある。17年2月の貿易統計では、関税率で優位に立つオーストラリア産の輸入量を米国産が抜いた。30カ月齢以上の老廃牛など価格帯の安い牛肉が増えれば、国産価格の一層の引き下げ要因になり得る。

 報告書では、環太平洋連携協定(TPP)対策の一環で日本が決めた加工食品の原料原産地表示の義務付けにも言及。消費者の選択を広げる措置だが、業者が表示変更の負担を避けるために原料調達先を変えるなどして貿易をゆがめないか注視するとし、懸念を示している。

 非関税分野では、TPPと並行した日米協議でも自動車の基準や保険、政府調達、衛生植物検疫措置(SPS)などが焦点になった。SPSでは、日本で未指定の食品添加物4品目を承認することや、承認手続きが農薬と添加物とで2回必要だった防かび剤の認可手続きの迅速化を決めた。食の安全に関わる問題だが、協議は関税交渉以上に水面下で進み、国民への情報開示に大きな不安がある。

日本農業新聞

最終更新:4/17(月) 7:00

日本農業新聞