ここから本文です

サルコペニアの悪循環 音楽療法で効果も

山陽新聞デジタル 4/17(月) 11:07配信

 関節リウマチの疾患活動性と骨格筋量、音楽療法の効果について、倉敷スイートホスピタル(岡山県倉敷市)の藤田慎一朗リハビリテーションセンター副主任(理学療法士)に寄稿してもらった。

     ◇

 今回は、リハビリテーションの立場から関節リウマチ患者さんの「疾患活動性(病気の勢い)と骨格筋量(おもに四肢の筋肉の量)について」と、「音楽療法の効果」についてお話しいたします。

■疾患活動性と骨格筋量について

 皆さんは「サルコペニア」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。高齢化していく社会の中で増加している現象で、日本語では「加齢性筋肉減弱現象」といいます。サルコペニアは一次性(加齢によるもの)と二次性(関節リウマチの慢性炎症などが原因)に分類され、骨格筋量の低下によって転倒などが引き起こされ、大きな社会問題となっています=図。近年、骨格筋量や栄養状態などのさまざまな定義が存在し、運動療法と栄養状態の関係性が注目されています。

 骨格筋とは関節を動かす時に使う筋肉で、体を支えたり運動に関わる筋肉のことをいいます。関節リウマチ患者さんの場合、炎症による関節の痛みや変形などの機能障害から、運動量が低下することにより二次性のサルコペニアが引き起こされます。

 さらに、関節リウマチで炎症の原因となっている炎症性サイトカイン(TNF―αやIL―6など)と筋力との関連性が示され、炎症性サイトカインの濃度が高いと筋力低下のリスクが2~3倍になるといわれています。当院の関節リウマチ患者さんとリウマチでない方の骨格筋量を比較してみると、30代から70代まで、全ての年齢層において骨格筋量が少ないことがわかりました=グラフ1。

 また、関節リウマチの病気の勢いと骨格筋量の関連性を見たところ、病気の勢いが高い(高疾患活動性)方々は、病気の勢いが低い(低疾患活動性)方々や寛解(治癒と同じ状態)になっている方々と比べて、骨格筋量が少ないということも分かってきました=グラフ2。従って、骨格筋量を維持するためには、早期から薬物療法でリウマチの病気の勢いを抑えることがとても大切であるといえます。その他にも、しっかりとした食事と身体状況に合わせた適度な運動も重要であり、病気の勢いに照らし合わせた適切なリハビリテーションを行うことで、転倒予防や日常生活動作(ADL)が維持できます。

1/2ページ

最終更新:4/17(月) 11:07

山陽新聞デジタル