ここから本文です

格安スマホ、価格競争は限界に近づく。コンテンツに力点

ニュースイッチ 4/17(月) 9:35配信

格安スマホ、価格競争は限界に近づく。コンテンツに力点

 格安スマートフォンの価格競争はすでに限界が見えており、市場で生き残るためには料金以外の差別化が不可欠だ。その手段として会員制交流サイト(SNS)など特定コンテンツのデータ通信料を無料で扱う「カウントフリー」を提供する格安スマホが増えている。一部の事業者は動画を無料対象に扱い、独自色を鮮明にする。ただ、公平公正が原則のネットワークにおいて、特定のコンテンツを優遇するサービスには懸念も浮上している。

 家電量販店に多様な格安スマホブランドが並ぶ中、「BIGLOBE SIM」を指定して購入する人がいる。データ通信料を気にせずにユーチューブなど動画サイトを楽しめるからだ。

 ビッグローブ(東京都品川区)の中野雅昭執行役員常務は「家電量販店で(カウントフリーの利用を目的とした)指名買いが出てきた」と喜ぶ。

 同社が2016年11月に始めたカウントフリーは、月480円(消費税抜き)で六つの動画・音楽コンテンツを楽しめる。他社のカウントフリーの大半がSNSを主対象にする中では希少だ。

 同社はその訴求力に手応えをつかんでいる。今後は広告出稿などを強化し、顧客拡大に向けて攻勢をかける構えだ。

 これまでSNSを中心にカウントフリーを提供してきた事業者も対象コンテンツを拡大している。「LINEモバイル」は音楽コンテンツをカウントフリーにするプランを1月に開始。今後は「ゲームなども検討対象にする」(出澤剛LINE社長)という。

 また「フリーテル」ブランドのプラスワン・マーケティング(東京都港区)の増田薫代表取締役も「(SNSなどに加え)対象コンテンツの拡充を考えている」と明かす。

 調査会社のMMDLabo(同渋谷区)の吉本浩司社長は、カウントフリーについて「『料金を抑えたい』という格安スマホ利用者の基本的な需要に合致する」と話す。毎月のデータ使用量の抑制につながり、利用料を安くできる。

 特にデータ消費量が大きい音楽・動画を対象としたサービスは、そのコンテンツを頻繁に利用する顧客に対し強い訴求力を発揮する。

 今後もサービスの拡大が見込まれるカウントフリーだが、一方で「ネットワークの中立性」に反するとの指摘がある。これは特定のコンテンツを通信料無料で扱うと、そのコンテンツの寡占状態を招き、市場競争が減るといった懸念だ。

 この点について明確なルールはない。また総務省は「現時点で(カウントフリーに対して)消費者や事業者から不満は聞かれていない。市場の動向を注視していく」(総合通信基盤局電気通信事業部)と説明し、現在は問題視していない模様だ。

 カウントフリーはこれまでは深く議論されてこなかったテーマのため、格安スマホ市場の拡大などに伴い議論が深まる可能性がある。今後の規制動向は予断を許さない。

最終更新:4/17(月) 9:35

ニュースイッチ