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スーパー「いなげや」で過労死認定 弁護士が指摘した「タイムカードの矛盾」

4/17(月) 16:45配信

BuzzFeed Japan

首都圏に展開するスーパーチェーン「いなげや」の志木柏町店で働いていた男性(当時42歳)の「過労死」を、さいたま労働基準監督署が認定した。遺族の弁護士たちが厚生労働省で記者会見し、明らかにした。労災認定は2016年6月28日。【BuzzFeed Japan / 渡辺一樹】

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駐車場で倒れ...

遺族側によると、男性は1995年に正社員として雇われた。2011年11月に志木柏町店で働き始めた。男性は「チーフ」という立場で、一般食品の発注や棚卸、在庫管理、価格付けなどの仕事をしていた。管理職ではなかった。

男性は2014年5月25日16時ごろ、店舗で勤務中にろれつが回らなくなり、体調不良で救急搬送された。いったん入院していたが、6月2日に仕事に復帰した。

そして6月5日、8時14分~19時11分まで勤務し、店舗を出た直後、駐車場で倒れているところを客に発見された。雨の中、大きないびきをかきながら、けいれんしていて、周囲の呼びかけにも応じない状況だった。

男性は翌6月6日に病院で、「血栓が体中に回っており意識は戻らない」と診断された。6月21日に脳血栓で死亡した。

「過労死」はどうやって認定されたのか?

今回の事件では、タイムカードの出勤記録に加えて、閉店作業のシートと店舗のセキュリティ記録が残っていた。これが決定的な「証拠」となった。

たとえば発症前の5月19日、男性の出勤記録は7時40分~18時30分となっていたが、男性は23時13分に閉店作業を担当したことになっていた。「退勤」後もサービス残業をしていた可能性が高い。

弁護側の指摘に基づいて、労働基準監督署があらためて調査した結果によると、時間外労働は発症前4カ月目には96時間35分。発症前の4カ月平均で75時間53分だったと認定された。そのほかにも「日・時間が特定できない労働時間がある」と推定し、過労死を認定した。

「労働時間は、もっと多いはずだ」と弁護士

遺族側代理人の嶋崎量弁護士は「わたしたちが探偵のような調査をして、ようやく出てきたのがこの時間です。これが全ての労働時間だったとは考えていません」と述べ、本来の時間はもっと多いはずだと強調した。

代理人によると、この店では労働時間が適切に管理されていなかった。従業員たちがタイムカード打刻前・打刻後にサービス残業をしていたことを確認したという。

従業員は本来よりも早く出勤し、シフト上の時間が来るまでは記録を付けずに働いていた。働いている間に、うっかり打刻を忘れないために、目覚ましアラームをセットしていたという。

嶋崎弁護士は、国の「働き方改革」で、労働時間の上限規制が話し合われているが、企業に労働時間を記録する義務を課さなければ、そうしたルールも絵に描いた餅になってしまうと指摘した。

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最終更新:4/17(月) 16:45
BuzzFeed Japan