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【あの時・斉藤由貴衝撃のデビュー】(5)「スケバン刑事」当時は1年で地球2周半移動

スポーツ報知 4/17(月) 15:00配信

 「卒業」での歌手デビューから、2か月後の1985年4月。主演の連ドラ「スケバン刑事」シリーズ(フジ系)が始まった。スケジュールはどんどん埋まっていく。斉藤の送迎で、事務所は初めてワンボックスカーを購入した。1年間の走行距離は10万キロ。これは地球2周半にも相当する。

 元東宝芸能の市村朝一(現キューブ執行役員)は「タクシーなみの距離を走り、1年で廃車。移動する間、少しでも休ませるため、普通の車はダメだった。本人は何も言いませんでしたが、あっちこっち連れて行かれ、よく分からない時もあったはず」と懐かしむ。

 忙しさに比例し、当然給料も増える。「あの頃、1年に3回更新した。上げざるを得なかった。わがままは一度も。でも1回だけ怒らせたことがあった」。斉藤はミュージカル「レ・ミゼラブル」日本初演(87年)に、コゼットで出ていた。3か月間続いた公演の千秋楽。その翌日に「ミュージックフェア」(フジ系)の収録が入っていた。

 「あの時代、アイドルがこの番組に出るのは大変珍しかった。でも人とジョイントして歌う番組で、相当の準備が必要。ようやく届いた譜面を渡すと、ボロボロ泣き始め、カセットテープを投げつけられました」

 「(舞台の)打ち上げを楽しみにしていたのに。これを明日までに覚えるんですか!」。しかし、収録を完璧にこなした。一睡もせず、譜面と向き合い、本番に臨んだ。このときのことを斉藤も、はっきり覚えていた。「そんなこともありましたね。私、大人げなかったですね」。ただ一度、感情を荒らげたことを悔やんでいた。

 再ブレイクをどう受け止めているのか。「本質はデビュー時と変わらなくて。いまも脚光浴びたいとかはない。この仕事していて何ですけど、何なら、私を見ないで、という気持ちで」。女優は年齢を重ねると、お母さん役、おばあちゃん役という具合にひとくくりにされ、役が狭まる傾向がある。

 それが斉藤の場合、変幻自在で当てはまらない。数年前、国連で働いた緒方貞子さんのドキュメンタリードラマに主演した際、「挑戦こそが人生を豊かにする」と答えた。仕事が舞い込む現状を冷静に見ていて、「やりがいのある仕事との出合いが一番うれしい。それに尽きます」という。

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最終更新:4/17(月) 15:09

スポーツ報知