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瀞峡ウォータージェット船、21日から運航 GW前再開に関係者安堵

産経新聞 4/18(火) 7:55配信

 新宮市の観光の目玉の一つ、「瀞峡(どろきょう)ウォータージェット船」が渇水で先月から運航を見送っていたが、21日から再開することが17日、決まった。今月に入って上流域にある発電用のダム付近にまとまった雨が降り、発電放水できる貯水量になった。「稼ぎ時」のゴールデンウイークを前にやきもきしていた関係者たちは、ほっと胸をなで下ろしている。

 ジェット船を運営する熊野交通(新宮市)によると、ルートとなっている熊野川水系北山川の上流にある池原ダム(奈良県下北山村)が2~3月の小雨で渇水状態になった。

 ジェット船は、後部船底に開いた円筒形のケースから水を取り込み、噴流を船尾から噴出することで推力を得て前進する。浅瀬に強い構造で、停止時で40センチ、運航時で70~80センチの水深があればいいが、水位によって限界があるという。このため、熊野交通では安全面を考慮し、3月27日から運航を中止していた。

 池原ダムは電源開発(東京)が管理する発電用ダムで、高さ110メートルとアーチ式ダムとしては国内最大の総貯水容量を誇る。器が大きいため、ある程度の雨が降らないと水かさが増えない“弱点”も追い打ちをかけた。

 4月に入り、池原ダム周辺でもまとまった雨が降るようになり、水かさも徐々に回復。発電放水もできるレベルに達したため、運航の再開を決めたという。

 ジェット船は時速40キロで新宮市・志古乗船場と瀞峡を約2時間で往復する。船上から断崖や奇岩の絶景を間近で見ることができるため、観光客からの人気が高い。「春季、お盆、秋季」のハイシーズンの土日には、1日約200人の観光客が訪れる。

 熊野交通志古船舶営業所の堀芳生所長(47)によると、紀伊半島大水害があった平成23年にも、2月のほぼ全部、3月で約2週間、渇水で運航が見送りになったことがあるという。

 堀所長は「運航中止はめったにないことだが、期待していらっしゃった観光客には迷惑をおかけした。雨が降りすぎるのも気になるが、継続的に営業していきたい」と話している。

 熊野川から瀞峡にかけての周辺流域は桜のピークが過ぎ、ツツジやサツキの季節を迎えている。

最終更新:4/18(火) 7:55

産経新聞