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清宮人気で神宮前代未聞!高校野球で平日ナイター 東大左腕・宮台にもスカウト集結

夕刊フジ 4/18(火) 16:56配信

 今秋ドラフトの“目玉”が、神宮をヒートアップさせている。16日、東京都高野連の発表に関係者が仰天した。23日午前10時開始予定だった春季東京都大会決勝が、27日午後6時に変更され、高校野球では異例の平日ナイターで開催されることになったからだ。15日に高校通算81号本塁打を放ったプロ注目のスラッガー、早実・清宮幸太郎内野手(3年)の人気に対応するための変更。さらに、同じ神宮を舞台とする東京六大学春季リーグ戦ではプロのスカウトが、これまで見向きもしなかった東大戦に殺到中。異例ずくめの事態となっている。 (片岡将)

 関係者が「記憶にない」と口をそろえる、前代未聞の事態だ。

 当初の予定では、準決勝を22日に神宮第2球場(収容人数5600人)で午前10時から2試合、決勝を翌23日に同球場で行う予定だった。だが、準決勝を22日と23日の各10時から神宮第2球場で1試合ずつ行い、決勝は27日午後6時から神宮球場(同約3万5000人)に変更する。

 変更理由は清宮だ。15日の準々決勝・駒大高戦で高校通算80、81号を連発した強打者への注目は加速度的に増している。

 早実-日大三の対戦となった昨秋の東京都大会決勝が神宮球場に2万人を集めただけに、今春も早実が決勝に進出すれば同様の動員が見込まれ、神宮第2球場の収容能力がパンクするのは火を見るより明らか。

 東京都高野連の武井専務理事は「昨秋の決勝戦の観客の人数などから、安全対策面や観衆の要望にできるだけ応えるには、神宮球場しかない。リーグ戦開催中の東京六大学、東都大学野球、プロ野球の日程を見て、授業にも支障のない平日の27日午後6時からに決めた」と説明した。

 そうでなくても清宮は今大会で、試合後混乱を避けるためチームから離れて別経路で移動している。試合日程を動かし、異例の高校野球ナイターまで作り出してしまった清宮人気はなんともすさまじい。

 当日の27日は、神宮を本拠地とするヤクルトが名古屋で中日と対戦するなど、関東地区でプロ野球の開催がない。その分、関東の野球ファンがこぞって神宮に足を向ける可能性がある。

 決して単なる“客寄せパンダ”ではない。スカウト歴35年超のベテランで、昨季限りで引退した黒田博樹投手らを発掘した広島の苑田スカウト統括部長は「(清宮は)高校生野手では履正社の安田(尚憲内野手)と比較されるが、清宮が1枚も2枚も上。バットの使い方の柔らかさに加えリストの強さ。これから練習次第でもっとよくなっていく」と太鼓判を押し、「注目度も1番。もちろん1位で行かないと獲れない」とすでに競合を覚悟している。

 さらに今年の神宮にはもう1人、スターが生まれつつある。東大の最速150キロ左腕、宮台康平投手(4年)だ。

 過去に東大からプロ野球に進んだのは新治伸治(大洋)、井手峻(中日)、小林至(ロッテ)、遠藤良平(日本ハム)、松家卓弘(横浜、日本ハム)の5投手。ドラフト制度導入前の新治を除いて、全員が3位以下の下位指名だった。

 宮台は趣が異なる。すでに通算4勝を挙げ、昨年春は2完投(うち1完封)。夏には大学日本代表として日米大学選手権に登板し最速150キロを計測した。秋には左肩違和感で1試合1イニングの登板に終わったが、素材の良さは折り紙付きだ。

 今春リーグ戦初登板の8日・明大戦には、日米13球団計30人超のスカウトが詰めかけていた。

 入学後初の連投もこなした。16日の慶大戦に先発し1回0/3、6失点(自責3)でKOされたが、翌17日の同カードの4回1死から4番手で登板。5回2/3を100球で最後まで投げ切り1失点(自責0)。最速は147キロをマークした。

 「きのう(15日)何もできなかった。きょうは少しでもできることを増やそうと考えた。自分は不器用な投手。まずはいい真っすぐを投げることを考えて、少しはできたと思う」と納得顔。

 前出の苑田部長は「去年の秋は肩の故障で投げたくても投げられなかったわけだから、この連投を自信にしてくれるといいよね。投げたくて仕方がないという感じで好感が持てるし、フォームもよくなってきている」と目を細めた。

 学業でも法学部に在籍するエリートだが、昨年12月にプロ志望を口にした。プロ側にも現時点で“ハズレ1位”か2位指名レベルと評価する声がある。秋に向けて、その進路にますます熱い視線が注がれるはずだ。

 東大の次戦は、高校野球春季都大会決勝の2日後にあたる29日の早大戦。今年はにわかに神宮が熱気を帯びている。

最終更新:4/18(火) 16:56

夕刊フジ