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20年間の映画監督禁止令もベルリン金熊賞…イラン巨匠ジャファル・パナヒが語る胸の内

シネマトゥデイ 4/18(火) 8:16配信

 アッバス・キアロスタミ監督の愛弟子にして、世界三大映画祭を制覇したイランの名匠ジャファル・パナヒ監督が、2010年より政府への反体制的な活動を理由に“20年間の映画監督禁止令”を受けながらも、自らタクシー運転手にふんしてテヘランの人々の人生模様を描き出した最新作『人生タクシー』が日本で公開を迎えた。今回、取材すらも禁じられているパナヒ監督への貴重なインタビューの内容が明かされた。

パナヒ監督がタクシー運転手に!映画『人生タクシー』予告編

 裁判所の最終判決によれば、映画製作・脚本執筆・海外旅行・インタビューを20年間禁じられ、違反すれば6年間の懲役を科される可能性のあるパナヒ監督。そんな中、本作は第65回ベルリン国際映画祭で最高賞にあたる金熊賞に輝き、大きな話題に。しかしもちろん、授賞式にパナヒ監督の姿はなかった。受賞したパナヒ監督の胸中を世間が知ることはなかったが、グランプリ授賞の翌日、パナヒ監督はテヘランで、イラン労働通信(ILNA)の記者と短い対談を行っていたことが明らかになった。取材も禁じられているため、この日に行われたパナヒ監督との対談はこれが唯一のものだという。

 「もちろん嬉しいです。自分にとっても、イラン映画にとっても」とまずは受賞を喜ぶパナヒ監督。しかし、文化イスラム指導省の次官ホジャトラ・アユビ氏が、ベルリン映画祭に向けて、映画祭を政治化させていると非難の手紙を送ったことについて、その手紙の内容を読んだかと問われると、「ええ、新聞に掲載されたときに読みました。礼儀正しい手紙ですね。読んだあと、『これだけか!』と思いました。彼は美しい文章を書きましたが、ただの言葉にすぎません。その内容が実行に移されてこそ意味があります」とばっさり。

 「私の国では芸術の分野で、とくに映画ですが、政治的進歩がとなえられてきてから何年も経っています。彼らは政治を映画と混ぜてしまおうとしています。しかしアユビ氏は人々に、この二つをしっかりと区別することを推奨しているのです。なぜ彼自身が、それを体現しないのでしょうか?」と辛らつな言葉を投げかけるパナヒ監督。「彼は芸術と政治のあいだに中国の万里の長城よりも長い壁をこしらえています。いくつの映画がこの壁に阻まれて映画館で一度も上映されなかったかご存知ですか? 彼らの作品のエネルギーと努力のすべては棚上げされてしまいました。アユビ氏は手紙をこう締めくくっています。『文化と映画は壁を取り壊すことを意味します』。文章としては美しいですが、現実に壁はまだ残されたままです。アユビ氏はまず、彼や彼の前任者たちが建てた壁を破壊すべきだと私は思います。そうしてはじめて人に助言を与えられるでしょうね」と過熱する。

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最終更新:4/18(火) 8:16

シネマトゥデイ