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歌人若山牧水、自筆はがきに酒の歌詠む過程 伊丹

神戸新聞NEXT 4/18(火) 21:27配信

 兵庫県伊丹市の市立博物館は18日、歌人若山牧水(1885~1928年)の未発表の自筆はがきが所蔵品調査で確認されたと発表した。宛先は清酒「白雪」を手掛ける同市の「伊丹小西本店」(現・小西酒造)。酒と旅を愛し、「漂白の歌人」と呼ばれた牧水は白雪の歌を7首残しており、はがきは歌を詠んだ過程が分かる貴重な資料という。

【写真】若山牧水(公益社団法人沼津牧水会提供)

 牧水は宮崎県出身。早稲田大学在学中は同級生の北原白秋らと親交を深めた。卒業後は詩歌雑誌「創作」を主宰。酒豪で知られ、「酒聖」とも呼ばれた。

 同博物館が1月から進めていた確認作業で見つかった。宮崎県の「若山牧水記念文学館」に調査を依頼したところ、全集などに未収録であることが分かったという。

 牧水が白雪を題材にした歌には「白雪は白雪はとて待つ悲しその白雪はいまだにか」などがある。当時、神奈川県に住んでおり、知人から届く酒を心待ちにしていたという。

 はがきは1916(大正5)年2月12日付。「あの歌は先日大阪の友人から白雪を送ってくれる約束でしたのでそれを待ちながら詠んだものでした。程なくそれは到着して久しぶりになつかしい白雪を味ふことが出来ました」(原文のまま)などと記されている。

 同博物館は、白雪を歌に取り上げてくれたことについて小西酒造が礼状を出し、牧水がその返礼としてしたためたものではないかと推測している。

 同博物館は、22日に伊丹商工プラザで開く「日本ほろよい学会伊丹大会」で展示するほか、夏をめどに館内でのミニ展示なども検討するという。(岡西篤志)

最終更新:4/18(火) 21:33

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