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ドラえもんに着眼点、大絶賛の「赤坂大歌舞伎」 セリフは現代語、歌舞伎初心者でも聞き取れる

夕刊フジ 4/18(火) 16:56配信

 東京・TBS赤坂ACTシアターで上演中の赤坂大歌舞伎「夢幻恋双紙(ゆめまぼろしかこいぞうし)赤目の転生」。演劇記者は「面白い話だが、登場人物が人気アニメのキャラクターのオマージュというか」と大絶賛する。

 歌舞伎俳優の中村勘九郎(35)が気鋭の劇作家、蓬莱竜太氏(41)に作・演出を依頼した作品。

 江戸時代、憧れの歌(中村七之助)を幸せにするために輪廻転生を繰り返す太郎(勘九郎)の物語だが、登場人物の性格付けや呼び名が「ドラえもん」を彷彿とさせると、前出の演劇担当者は指摘する。

 「太郎のあだ名はのび太郎、市川猿弥は合田ならぬ剛太、中村鶴松が静、中村いてうが末吉。のび太、しずかちゃん、ジャイアン、スネ夫です」

 物語は4人の子供時代から始まる。弾けるように遊ぶ姿をみせ、子供という設定を伝えるため、「僕たち、こう見えても12歳だから」というせりふで笑わせる。

 そこに歌が登場することで、仲間内のパワーバランスが崩れ出す。以前はアイドル的存在だった静ちゃんは歌への不満をぶつくさ。すかさず剛太と末吉が「時代は変わるんだよ」と突き放すと、どっと笑いが起きる。

 「印象深いのは猿弥が演じる剛太。子供時代の剛太はまさにジャイアン。ガキ大将っぽいせりふ回しも猿弥の大柄な体形もぴったりの役です」(前出・演劇担当記者)

 子供時代の関係性のまま大人になるケース、子供時代の関係性が逆転するケースなど、時間をうまく遊ぶ物語を構築しているが、「ここが蓬莱さんの巧みなところ。時間を描くために、観客に『ドラえもん』を意識させる。『ドラえもん』は未来を良くするために過去をきちんとしなきゃという話ですからね。本当に着眼点がうますぎる」(エンタメライター)

 せりふはすべて現代語で、歌舞伎初心者でも聞き取れる。音楽は義太夫は一部だけで、ほとんどがピアノ。「エリック・サティのようなけだるさを内包した音楽で歌舞伎にも合っていた。物語もいろんな見方ができる。『ラ・ラ・ランド』のように、かなえられなかった別の物語の持つ切なさが描かれています」(前出・エンタメライター)

 2008年に勘九郎と七之助の父、故中村勘三郎さんが始めた赤坂大歌舞伎。今回が5回目。確実に根付いている。

最終更新:4/18(火) 16:56

夕刊フジ