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関西でも値切らない京都人 市民アンケートで検証

京都新聞 4/18(火) 19:17配信

 ときに気位が高いとも言われる京都人。それゆえか、普段の買い物で「値切る」のは、お隣の大阪と比べても、どうも似合わない。でも、同じ商品を買うなら安いに越したことはないはず。実際はどんな思いで毎日暮らしているのだろう。
 アンケートでは8割近い77人が「値切らない」と答えた。街中でも値下げの交渉をしている人はさほど見かけないだけに、この数字は予想の範囲内といったところか。ではなぜ、値切らないのか。
 もっともな理由として何人も口にしたのが「お店を信用しているから」。上京区の三宅千代子さん(83)は「店が付ける値段は、その価値があると自信を持って付けていると思う」と話す。一方の店側も「値切られるのはかなん」「正味の値段を付けてる」と、過度な値下げ交渉を善しとしない声があちこちで漏れ聞こえた。
 品質や値段の設定に妥協しない売り手。その姿勢を見定め、自分の尺度で購入する、しないを決める買い手。そんな程良い緊張関係が互いを高め、それが信頼感にもつながっているのだろう。
 実際、京都の人の目や口は肥えているとも言われる。中京区の京都三条会商店街で食品店を営む八木弘子さん(73)は、「京都で商売が当たったら全国どこでも成功する」と話し、45年前に大手ハンバーガーチェーン店が近畿の1号店として京都市に進出した時の思い出を披露してくれた。
 いかにも京都人らしい、こんなやりとりも。上京区の大森崇美さん(69)は「帯を買った時に気に入った小物を見つけたら、『これええなあ』と言って、おまけで付けてもらえるように言う」とか。遠回しに持ちかけて売り手側から値引きなどを引き出すとは、なんとも奥ゆかしい。
 かつて祇園祭・長刀鉾の稚児を務めた40代の会社役員男性=中京区=は「京都はいろんなところで人のつながりがあるので、ひどいことをすると『この人は…』と言われる。交渉も『相手に気持ちよく』することが肝心で、えげつない値切りは京都のやり方ではない」と打ち明ける。
 値切らないライフスタイルの底流にあるのは、濃密な人間関係と、そこで円滑に暮らしていくための隣人への配慮。それは京都人の知恵でもあるが、厳然とした不文律だとしたら、息苦しくない?
 「妹は大阪に嫁いで50年になるが、一緒に買い物に行くと『おっちゃん安してぇな』としっかり言うんです」。身なりの良い年配女性が笑いながらさらりと口にした言葉に、少しほっとした。
◆ぶぶ漬け、着倒れ、応仁の乱…。「京都といえば」と府外市外の人に問えば、お決まりのように返ってくる答えがある。でも、「それってホンマ?」。真相に迫るべく、京都市民100人に聞いてみた。(連載「おもしろ わがまち 京の探検隊」より)

最終更新:4/18(火) 19:30

京都新聞