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独創的建築、円滑に事業承継 静銀や会計士が仲介

@S[アットエス] by 静岡新聞SBS 4/18(火) 17:00配信

 不動産管理業Re・lation(浜松市中区)は18日までに、建築設計業ぬくもり工房(同西区)を譲り受けた。ぬくもり工房がモデルハウスを兼ねて同区で運営中の集客施設「ぬくもりの森」も取得。静岡銀行や地元公認会計士の仲介で、創業者の急死で経営の担い手を失った会社と事業が円滑に承継された。年間13万人超が訪れる「ぬくもりの森」は今後、地元観光の起爆剤として活用される。

 ぬくもり工房は死去した佐々木茂良氏が1998年に設立し、おとぎの国風や中世西洋風といった独特なデザインの建築物を手掛けてきた。本社近くに自社の創造力を表現した大小の建築物を集積し、12年前に「ぬくもりの森」として公開すると、県内外から人気を集めるようになった。

 佐々木氏は2016年7月に58歳で急逝。突然に後任となった妻由佳さん(54)は「自主存続も考えたが、建築関係の知識がない自分に担えるか不安だった」と振り返る。こうした中、メインバンクの静岡銀はM&A(買収・合併)による事業承継と承継先候補を提案。由佳さんは熟慮の末に全株式譲渡を決め、17年2月にRe社と契約を結んだ。由佳さんは「創業者の世界観を壊さず育てていくとの約束の下で、満足のゆく譲渡ができた」と語る。

 県西部を中心に3500戸超の物件を管理するRe社は、リノベーション(再生)による物件の高付加価値化を強みとする。高橋秀幸社長(45)は「ぬくもり工房の技術力でこの強みを磨け、工房の受注安定化にも寄与する」と判断。静岡銀と連携する公認会計士が集めた工房の資産や負債などの情報を踏まえた上で取得を決めた。工房の従業員の意思も確認し、25人の雇用を維持した。

 本件など事業承継を支援している大川原正記公認会計士(43)は「県内で存続する価値を備えながら後継者難で廃業する中小企業は後を絶たない。地元の金融機関や専門家が連携を強めて地域企業ともっと距離を縮め、今回のような事例を増やしていく必要がある」と話す。

静岡新聞社

最終更新:4/18(火) 17:00

@S[アットエス] by 静岡新聞SBS