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16億円資金洗浄の疑い、ナイジェリア人ら14人逮捕

朝日新聞デジタル 4/18(火) 18:25配信

 詐欺グループが得た約16億円の犯罪収益を、ナイジェリア人らが日本の金融機関40口座を利用して資金洗浄(マネーロンダリング)していた疑いがあることが、大阪府警への取材でわかった。指示役のナイジェリア人の男ら6人と配下の日本人の男女8人の計14人が組織犯罪処罰法違反(犯罪収益の隠匿)容疑などで逮捕、起訴されている。府警は18日、約3年に及ぶ捜査を終え、最終送検した。

【写真】今回の資金洗浄事件の構図

 捜査関係者によると、国内で発覚した国際的なマネーロンダリングでは異例の規模。府警は、海外から約17億7千万円が送金され、2014年3月~15年12月に40口座で約16億1千万円が引き出されたことを裏付けたという。

 逮捕されたナイジェリア人は30~56歳で、輸出貿易業のウデネウ・オケチュク容疑者(56)=三重県鈴鹿市、組織犯罪処罰法違反罪などで起訴=が指示役とみられる。配下の日本人は無職や会社社長ら43~72歳。ナイジェリア人の指示を受け、日本人が口座を開設して現金を引き出していた。

 ウデネウ容疑者は14年5月~15年5月、日本人を金融機関の窓口に行かせ、「商品の購入代金」などと装い、犯罪収益と知りながら約3億円を引き出したなどの疑いがある。ウデネウ容疑者は黙秘しているという。一連の事件の起訴は計11件(約5億7千万円)で、一部は有罪判決が確定している。

 ウデネウ容疑者らと日本人は中古車輸出などを通じて知り合い、日本人が勧誘し引き出し役を集めた。日本人の報酬は引き出し額の1~4%。府警はウデネウ容疑者らが洗浄した資金を海外の犯罪グループに送っていたとみている。

 資金は、海外の犯罪グループが米国やスペインなど12カ国・地域の企業などの実際の取引先とのメールを乗っ取り、取引先になりすまして送金先となる日本の口座を教えるなどしてだまし取ったものだった。(楢崎貴司、吉村治彦)


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 元東京地検特捜部検事で資金洗浄に詳しい木目田裕弁護士(第一東京弁護士会) 日本は米国に比べて対策は進んでおらず、形式的にきちんとした書類が整っていれば銀行が窓口で資金洗浄を見破るのは難しい。チェック機能の強化が求められるが、利用者の利便性低下やコスト増大とのバランスの問題もあり、社会の理解が必要だ。近年、麻薬や武器取引などで国際的な犯罪集団の暗躍が目立っており、資金は国外送金のほか、国内の不動産投資や会社の買収に使われている可能性もある。

朝日新聞社

最終更新:4/18(火) 22:54

朝日新聞デジタル