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日米経済対話の議論のポイントは

産経新聞 4/18(火) 7:55配信

 □国際金融情報センター・加藤隆俊理事長

 ■米の関心は2国間交渉と車・農業

 --どのような議論が想定されるか

 「米国の関心は、2国間貿易交渉にあると思われる。トランプ大統領は、貿易赤字の対応を要する相手国として、中国、日本、ドイツを挙げた。日本の対米輸出に占める自動車・関連部品の割合は約4割あるうえ、米国内の政治力の観点からも自動車と農業が米国の関心事だろう」

 --日本政府はどう臨むべきか

 「日本は中国と違って、関税などの貿易障壁に確たるものはない。1980~90年代のような、個別分野での貿易交渉の再現は避けた方がよい。ただ、当時と比べて、日本を取り巻く安全保障上の環境は格段に違ってきている。まず米国の要望を聞き、どのような土俵を設定するか、協議していくことが先決だ」

 --90年代に財務官としてクリントン政権との貿易交渉に携わった

 「自分が担当して参ったのは、『交渉決裂』や(対日制裁を視野に入れた米通商法)『スーパー301条』という話が出るたびに為替相場が振り回され、円高になったことだ。ただ、日本からの輸出に対する米議会や産業界の反応が当時とは違う。日本企業が米国に投資し、雇用を増やしていることも理解されている」

 --経済対話では為替政策が議論される可能性もある

 「日本は為替操作をしているわけではないし、金融政策も脱デフレを目的にやっている。為替問題に焦点があたらないようにして、日本の米国でのインフラ投資や米国からのシェールガスの輸入など、互いの経済にプラスになる形で結果を出す協議とすることが大事だ」(田村龍彦)

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 □日本エネルギー経済研究所・豊田正和理事長

 ■大きな世界観のなかで課題解決を

 --経済対話はどのような形で進めるべきか

 「自由主義圏の2大経済大国として、国家間だけでなく世界的な問題にどう協力ができるのかという『世界観』を共有してほしい。本当にグローバリゼーションは敵なのか。貿易赤字イコール不公正貿易なのか。むしろ、副作用である貧富の差の拡大をどう抑止するのか議論すべきだ。より大きな世界観のなかで解決策を見出してほしい」

 --日米共通の利益となる経済協力が重要になる

 「化石燃料と原子力が大きな領域になるのではないか。日本が米国のシェールガスを輸入して、貿易収支を改善するだけでなく、アジアでどう需要を拡大するかが重要だ。透明で柔軟な液化天然ガス(LNG)市場を構築すれば、米国の輸出先は東南アジア諸国連合(ASEAN)や中国、インドにも広がる」

 --トランプ米政権は石炭産業も重視している

 「アジア諸国でも公害問題で石炭火力発電所の建設が難航している。日本が得意とする環境負荷が少ない石炭利用技術を提供することで、米国の石炭輸出も伸ばすことができる」

 --原子力はどうか

 「新型炉の開発を含め、日米で安全性向上に向けた協力が可能だ。日米両政府が一定の関与をしつつ、東芝の米原発子会社のウェスチングハウス・エレクトリック(WH)の重要な技術をどうやって拡散させないかも大きな課題になるのではないか」

 --日本としては自由貿易の重要性も確認したい

 「日米自由貿易協定(FTA)より、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)のほうが米国にもプラスが大きい。客観的事実に基づいて、中国を意識しつつ、米国にとって何が利益なのかを議論してほしい」(田辺裕晶)

最終更新:4/18(火) 8:21

産経新聞