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<電子タグ>コンビニ商品に…大手5社合意 人手不足解消へ

毎日新聞 4/18(火) 20:57配信

 セブン-イレブン・ジャパンなど大手コンビニエンスストア5社と経済産業省は18日、人手不足の解消や物流の効率化を狙い、全商品を電子タグで管理する仕組みを2025年までに実現することで合意したと発表した。5社が取り扱う全商品(年推計1000億点)が対象で、電子タグに対応した無人(セルフ)レジの普及や在庫管理の最適化などの効果が見込まれる。同省は小売業界全体への普及も目指すが、タグ使用のコスト削減などが課題になりそうだ。

 ◇レジで瞬時に精算可能

 経産省が同日、「コンビニ電子タグ1000億枚宣言」と称して発表した。参画するのはセブンのほか、ファミリーマート▽ローソン▽ミニストップ▽NewDays(ニューデイズ)の各チェーン。

 電子タグは微弱な電波を発信し、専用の読み取り機器で受信して個々の商品情報を管理する。例えば、対応する無人のレジカウンターに商品を置くと瞬時に精算が可能になり、利用客の利便性が高まる。従業員の対応も不要になるため、人手を別の作業に振り向けることもできる。

 また、店舗の出入り口に読み取り機器を置けば、納品状況の把握や万引き被害の防止などにも役立つ。物流業者も、電子タグを活用すればどの店にどの商品が必要かを瞬時に把握でき、在庫管理などを効率化できる。5社は18年をめどに実証実験を始め、実用化を目指す。

 コンビニ業界は人手不足で省力化が課題になっている。ローソンは17年2月、パナソニックと共同で電子タグに対応した無人レジ機の実証実験を実施。同社によると、従業員の負担軽減のほか、顧客数や売り上げが増える効果も確認されたという。ファミリーマートも東京都内の約20店舗で無人レジ機を導入している。

 コンビニ各社は今回の取り組みについて、「人手不足の解消や経費の削減などにつながる」と歓迎している。経産省は「バーコードと同様に、家具や家電などさまざまな商品に普及させたい」と今後の展望を描く。

 だが、普及させるためには、導入コストの削減と業界を超えた取り組みの拡大が課題となる。現在はタグの単価が1枚当たり10~数十円と高く、1円以下に下がらなければメリットを得られない見通しだ。また、商品を出荷するメーカーによるタグ付けも必要になり、供給網全体の環境整備も欠かせない。あるコンビニ関係者は「導入に伴う経費の補助など、国の全面支援に期待したい」と話している。【竹地広憲、今村茜】

 【キーワード】電子タグ

 ICチップとアンテナを内蔵し、電波を利用して非接触で個体情報を識別するタグ(荷札)のこと。一般的な厚さは1ミリ以下で、商品一つずつに貼り付けて使用する。ICチップに価格や出荷日など必要な情報を乗せ、ほぼすべての商品に貼れば、いつ、どこに、どんな商品がどの程度流通しているかを簡単に把握できるようになる。個別に商品情報を読み取る必要があるバーコードに比べて、まとまった商品の情報を一括で把握できる。このため、小売業者はレジ、検品、在庫管理などに必要な人手や手間を大幅に減らすことができ、人手不足の解消策としても期待されている。だが、普及するにはコストや技術面などの課題が残っている。

最終更新:4/18(火) 22:14

毎日新聞