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路線バス、徘徊見守り基地局 認知症高齢者らの位置送信 奈良

産経新聞 4/18(火) 14:57配信

 認知症高齢者らの徘徊(はいかい)や失踪が社会問題となる中、奈良交通(奈良市)は5月以降、奈良県内を走る路線バスで無線通信を活用した高齢者らの見守り活動を始める。専用の小型発信器を身につけた人が乗車したり、バスとすれ違ったりするとバス内の感知器が位置情報を取得する仕組みで、バスが“動く基地局”となる。同社によると、バスへの感知器の設置は全国初という。(田中佐和)

 発信器は警備会社「綜合警備保障(ALSOK)」(東京)の「みまもりタグ」。親指大と小さく軽量で、内蔵できる専用の靴も開発した。タグの携帯者が専用アプリをダウンロードしたスマートフォンや街中に設置された感知器のそばを通ると、位置情報を同社のサーバーに自動送信。家族らがインターネット上で確認でき、捜索の手がかりに活用できるという。

 昨年、国土交通省のモデル事業に認定され、同社は奈良県生駒市や滋賀県湖南市など全国10市町と協定を締結。タグと専用靴、感知器を協力機関に無償貸与し、一般販売に向けた実証実験を行っている。

 茨城県笠間市では民生委員の自宅に感知器を設置。北九州市では大手タクシー会社の運転手がアプリをダウンロードするなど、さまざまな取り組みが進んでいる。

 奈良県内では先月、生駒市のほか、天理市と協定を締結。県内全域に路線を持つ奈良交通とも連携し、両市内を走るバスに感知器を設置することになった。

 奈良県警によると、昨年県内で行方不明の届け出があった人は延べ1135人。うち281人に認知症の疑いがあるという。奈良交通の担当者は「バス停で認知症高齢者を発見したケースもあった。地域に根ざす公共交通機関として、見守り活動に協力していきたい」としている。

最終更新:4/18(火) 16:02

産経新聞