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<ロシア>トラック運転手がスト 通行料金撤廃を主張

毎日新聞 4/18(火) 21:01配信

 【モスクワ杉尾直哉】ロシア各地で大型長距離トラックの運転手たちが3月以降、ストライキを繰り広げている。政府が2015年に導入した通行料金徴収制度「プラトン」の撤廃を主張しているが、同時に「政府の無能ぶり」を糾弾しており、新たな反政府運動に発展しそうな様相を見せている。

 17日、モスクワ中心部から約20キロ東の大型モールの駐車場。大型トラック7台を止めてストを展開した。フロントガラスには「プラトン撤廃」と書かれた横断幕。警察がパトカー7台で駆けつけ、退去を命じたが、運転手たちは「誰にも迷惑をかけていない」と訴え、押し問答となった。

 このストに参加した運転手のアレクサンドルさん(45)は「燃料費が高騰する中、プラトンまで取られれば、収入はない。死活問題だ」と語った。

 プラトンは12トン以上のトラックが対象。14年のウクライナ危機以降、財政難に苦しむロシアが、道路整備の財源確保のため導入した。当初、走行距離1キロ当たり3.06ルーブル(約6円)の徴収を想定したが、運転手側の猛烈な反発を受け、半額の1.53ルーブルに設定した。しかし、今月15日から政府が1.91ルーブルに引き上げたため、運転手たちの怒りが爆発した。

 運転手たちは「集めた金の使途が不透明だ」と批判する。だが、タス通信によると、政府は3月25日、「徴収金は市民(オンブズマン)の管理下に置く。補修・整備する道路も運転手側の提案を受けて選定する」と発表、プラトンを撤回しない方針を示した。

 一連の運転手のストについて、国営テレビなど主要メディアは報じていない。4月4日にモスクワで記者会見した南部ダゲスタン共和国の長距離運転手協会のルスタム・マラマゴメドフ会長(30)は「政府は我々との対話を拒否している。我々は反抗を強めざるを得ない」と警告した。会見終了直後、マラマゴメドフ氏は警察に一時拘束された。

 ロシアでは、メドベージェフ首相の「腐敗ぶり」を批判する野党支持者らのデモが3月末に各地であり、2000人以上の拘束者を出した。長距離トラック協会などによると、当局は「違法デモ」や「扇動」などを理由に多数の運転手らを拘束しているという。

最終更新:4/18(火) 21:17

毎日新聞