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CMLL・OKUMURAが緊急帰国 頚椎脱臼骨折で手術へ

スポーツナビ 4/18(火) 11:32配信

 メキシコCMLLで活躍する日本人レスラー・OKUMURAが緊急帰国。メキシコでの練習中にケガを負い、救急病院に運ばれたが、その後の検査で「頚椎脱臼骨折」と判明。プロレスができる体に戻すために、日本での手術に踏み切ることを決めた。

 緊急帰国中のOKUMURAに、ケガを負ったときの状況、そして今後の活動について聞いた。

――OKUMURA選手といえば常にメキシコで戦っているというイメージですが、メキシコで大きなケガをされて先月の末から日本に帰ってきているそうですね。

 先月の29日に日本に帰ってきました。そのケガと言うのは、練習中のケガだったんですけど、すぐ救急病院に運ばれて、最初は頸椎のヘルニアだと言われたんですよ。それで頸椎のディスクを2つほど取って、プレートを入れるので、そのときケガが頚椎だけに、手術をした上での引退勧告を受けたんですよ。

――いきなりの引退勧告だったんですか……。まず、どういった状況でケガをされたんですか?

 CMLLでは所属選手の合同練習が幾つかあるんですけど、そのいつもの練習中に起こったケガだったんですよ。いつものようにアレナメヒコのジムで練習していたんですけど、その時は息上げの練習で、マット運動をしていたんですね。それでその相手として、自分からしたら名前も知らないCMLL入りを目指している若い選手と組んでいました。それで僕が後転倒立している時に、開脚後転をすると間違えて、その選手が僕を飛び越えようとしたんですよ。そのときって、僕は倒立しているから体が伸びきっていますよね。そこで体ごとぶつかってきたから、僕の体が逆のエビぞりみたいな状態になって。

――想像するだけでも、背筋が凍ります。

 もう、首の音がバキバキって聞こえました。それで立てなくて、ジムの天井を見つめている時、「ああ、これでもうオレのプロレス人生は終わったな……」と思いました。アレナメヒコのジムは3階にあるんですけど、そこで練習していた何人もの選手たちに担ぎ上げようとされたんですが動けず、そこで担架で運ばれて来て下まで運ばれ、そのまま救急病院に運ばれました。

――そこで受けた診断が引退勧告であったと。

 いえ、実は最初の病院では救急病院でレントゲンを撮りましたが、骨折は発見されず、「10日間は絶対安静で」と言われ、帰宅したんですよ。

――えー、最初はそれで家に帰ったんですか?

 そうなんですよ。その後、鍼とかカイロとか行っても治らない。で、1週間経っても2週間経っても治らなくてMRIを撮ったんです。そうしたら頚椎ヘルニアだから直ぐに手術が必要だと言われて。

――そこで初めて重症であることが分かってきたんですね。

 CMLLはトレーナーもいて医師もいる本当にしっかりした組織なので、ウチのトレーナーとメキシコのエキスパートの先生のところに行きましたし、それ以外も自分で探してスペシャリストの医者を尋ねていくつか回ったんですけど、どこも同じ答えでしたね。海外の場合、日本とはもう全然医療システムが違いますので、手術になるのは分かります。ただ、ここで引退って言われても、僕も23年この仕事をやってきて、こんな事で引退はしたくないんですね。それでCMLLが提携している団体は新日本プロレスだし、医師団がおられてすごくしっかりとしている。それで三澤(威)先生に相談したんですよ。

――三澤先生の回答はいかがでしたか?

 そうしたら、三澤先生から「今後もプロレスをやれる方向の手術を考えましょう」と言っていただいたんです。本当にうれしくて涙が出る思いでしたね。僕は直ぐにCMLLのフランシスコ・アロンソ社長に相談し、日本で手術をしたい旨を伝え、ご了承頂けたので、急遽日本に帰ってきたんです。CMLLも手術をして復帰できるよう、探して頂いていたのですが。それで日本に帰ってきて改めて検査をして、MRIとか、CTとかレントゲンを何度も撮って。そうしたら頚椎の骨折と亜脱臼が発見されたんですよ。

――ヘルニアじゃなくて。

 そうです、向こうではレントゲンとMRIだけ撮ったんですけど、それ以外にもCTを撮ったりして。何回も診てもらって。頸椎って複雑ですよね。結局、日本ではレントゲン、MRI、CTとそれぞれ2回ずつ撮りました。一見、ヘルニアには見えるが、これは骨棘(こつきょく)だと。そういうことで、何度も慎重に診ていただきました。最終的に診断されたケガの病名は、「頚椎脱臼骨折」で、頸椎頚椎6番骨折、頚椎6-7番亜脱臼、それから靭帯の部分断裂だと。それでようやく手術することが決まりまして……。

――でもそうなると手術も大がかりになりそうですね。

 手術の内容は、腰骨の軟膏を取り、頚椎の折れた部分へ移植(インプラント)し、亜脱臼の部分を直すらしく、頚椎にワイヤーも入れるそうです。首の前後からメスを入れる大手術になるそうです。大がかりですけど、それが一番復帰できる方法だということで、先生を信じて、覚悟を決めました。

――手術はいつになるのですか?

 18日になります。

――ではもう直前ですね。その後はどうなるのですか?

 術後はICUに入る為、一般病棟に戻るのは19日だそうです。それから首はずっとコルセットで固定したままで、リハビリに入ります。退院したら軽い運動をしてもいいらしいんですけど、首には一切体重を掛けないでと言われています。それで術後の1カ月検診が終わったらメキシコに戻るつもりです。それで月ごとにCTを取って日本へ送るんですけど、数カ月後には一度、経過を見せにまた日本へ来る予定です。それで首の骨が引っ付いたら、少しづつ首のトレーニングを始める感じで。骨折だから引っ付くまでは一切首のトレーニングはできないですね。でも、できれば今年中に復帰を目標にしたいんですよ。

――目指すは年内復帰ですか?

 はい、僕もまだ日本とメキシコの架け橋となって、やりたいことはまだまだありますからね。

――OKUMURA選手がメキシコに渡り、CMLL所属になってからすごく長いですからね。

 この5月でCMLL所属になって13年になるんですよ。日本人で13年所属しているのは僕だけなんですね。でもこの1月に「FANTASTICA MANIA」で日本へ来たばかりなんですよ、それで「皆さん、また会いましょう」ってあいさつしてメキシコへ帰ったんですけど、もう帰って来まして(笑)。

――でもOKUMURA選手ってこれまで相当試合数を重ねてきましたよね。メキシコ全土はもちろん、米国でも……。こんなにのんびりなことは13年間なかったのでは?

 はい、去年は170試合以上したんですよ、毎年150試合以上しているんですけど、2月22日にケガをして、24日にアレナメヒコで試合が入っていたんですけど、そこからずっと欠場でスケジュールが白紙で。でも今回の手術の件でCMLLからバックアップして頂き、アロンソ社長には本当に感謝しています。

――そうですね、こうやって治療に専念できるわけですからね。

 もちろん、CMLLだけでなく、今回、僕の手術の件でお力になって頂いた新日本の三澤先生、医師団のみなさま、新日本プロレスにはとても感謝しています。これに報いるためには必ずリングに戻ってきます。新日本プロレスとCMLLは本当に素晴らしい組織だと思います。 ファンのみなさんとも、またリングでお会いしましょう。僕は必ず帰ってきます。それまで待っていてください!

OKUMURA選手プロフィール:1994年12月31日デビュー。2004年3月に全日本プロレス退団後、5月にメキシコへ渡り、現在までCMLL一筋で活躍中。182cm、95kg。

(取材・文:泉井弘之介)

最終更新:4/18(火) 11:32

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