ここから本文です

シリーズ名だけじゃない 夏モデル「AQUOS R」はココが変わる

ITmedia Mobile 4/18(火) 22:18配信

 シャープが2017年夏にスマートフォンAQUOSの新シリーズ「AQUOS R」を投入する。新しいAQUOSでは何が変わるのか? ポイントを整理しながら見ていこう。

【ホームボタンとしても使える指紋センサー】

●ハイエンド機のシリーズ名を「AQUOS R」に統一

 これまで、スマートフォンAQUOSのハイエンドモデルは、ドコモ向けが「AQUOS ZETA」、au向けが「AQUOS SERIE」、ソフトバンク向けが「AQUOS Xx3」という具合に、納入するキャリアによって製品名が異なっていた。

 ハードはほぼ同じながら製品名が異なっているため、AQUOSブランドの特徴を打ち出しにくい状況が続いていた。一方で、グローバルで展開しているソニーモバイルの「Xperia」やサムスン電子の「Galaxy S」は、異なるキャリアでもシリーズ名は統一している。AQUOSもシリーズ名を統一することで、AQUOSの世界観を、より伝えやすくなったといえる。

 IoT通信事業本部 パーソナル通信事業部 商品企画部長の小林繁氏は「スマートフォンはますます成熟して、ブランドで選ぶお客さまが増えている。マーケティングの効率化を図り、ケース(周辺機器)を探していただく上でも統一した方がいいと決断した」と説明する。

 なお、AQUOS Rの納入キャリアは明らかになっていない。例年通りなら、5月以降に発表される、各キャリアの夏モデルとして登場することが見込まれる。またSIMロックフリーとして販売するかも未定とのこと。

●デザイン:持ちやすさをブラッシュアップ

 本体デザインは、2016年夏のAQUOS ZETA、SERIE、Xx3を踏襲しており、全体的に丸みを帯びた形状になっている。インパクトの大きかった3辺狭額縁設計でないのはちょっと残念だが、持ちやすさを重視したためのようだ。

 シャープはAQUOS Rの形状を「Emotional Edge」と呼ぶ。小林氏はその意図を「持ちやすいボディーは手に引っ掛かるので、エッジには適度なラインを入れ、手に当たるところをラウンド形状にして快適に使えるようにした」と説明する。2016年夏モデルのAQUOSは、エッジがやや角張っていたが、AQUOS Rではエッジが斜めにカットされているので手のひらにフィットする。

 側面には光沢感のあるアルミフレームを入れた。背面は樹脂だが、ガラスのような光沢仕上げにした。小林氏は「金属形状と艶やかな仕上げをによって、驚くほど美しいデザインになった」と胸を張る。

●ディスプレイ:高解像度化して画質もアップ

 スマートフォンAQUOSでおなじみの「IGZO」は、AQUOS Rでももちろん搭載。1秒間に画像を120回更新して、より滑らかな表示を可能にする「ハイスピードIGZO」も継承している。

 ディスプレイの解像度は、従来のフルHD(1080×1920ピクセル)からWQHD(1440×2560ピクセル)にアップ。より高精細な写真や動画を楽しめるようになった。ただし解像度が上がると消費電力も上がるため、2016年夏モデル(3000mAh)よりも大きい、3160mAhのバッテリーを搭載している。

 液晶テレビAQUOSで培った技術を生かした「リッチカラーテクノロジーモバイル」も新たに採用し、色域が広がった。

 白飛びや黒つぶれを抑えた表示が可能なHDR(ハイダイナミックレンジ)表示にも対応し、「Amazonプライムビデオ」のHDR対応コンテンツを視聴できる。さらに、HDR非対応の動画をHDR相当の画質に変換して再生する「バーチャルHDR」にも対応。現状、「SHメディアプレーヤー」で再生した動画のみが変換される仕様だが、ストリーミングサービスなどに対応範囲が拡大することにも期待したい。

●カメラ:レンズを一新して、より広角に

 アウトカメラの画素数は2016年夏モデルと同じく2260万だが、レンズを一新した。

 35mmフィルム換算で焦点距離が26mmから22mmに短くなったことで、より広角に撮影できるようになる。これは「通常の構図を考えて美しく撮るカメラよりも、スマートフォンは見たままの臨場感を残すことが重要と考えた」(小林氏)ため。接写できる距離も従来機より近くなり、花びらなどのディテールを、よりリアルに記録できる。

 光学式手ブレ補正は、静止画だけでなく、動画の撮影にも対応した。

 AQUOS Rは、これまでのハイエンドAQUOSが取得していた、リコー「GRシリーズ」開発メンバーによる画質認証プログラム「GR certified」は取得していないが、「画質の面で従来モデルより劣ることはない」(担当者)とのこと。

 インカメラは、2016年夏モデルの500万画素から1630万画素に大幅に画素数がアップ。レンズの焦点距離も24mmから23mmに短くなり、アウトカメラ同様、広角に撮影ができる。

●パフォーマンス:よりサクサク動き、放熱対策も強化

 AQUOS Rでは液晶の材質を工夫することで、「2016年夏のAQUOSよりも液晶の応答速度が約1.5倍向上した」(シャープ)という。また、新しいファイルシステム「UFS(Universal Flash Strage)」を採用したことで、アプリの起動や切り替えが速くなり、「ハイスピードIGZOの性能を最大限引き出す」(小林氏)効果も期待される。

 放熱性能も向上させた。本体の外郭付近に温度センサーを配置し、より正確に内部の温度を監視できるようになった。内部にはアルミニウム合金を採用し、熱を逃がす「グラファイトシート」の厚みも増している。こうした工夫により、過去機種より約4度温度を下げられるようになった。

 端末の温度が上がるとCPUを制御して100%のパフォーマンスを発揮できなくなるが、発熱を抑えることで、より高いパフォーマンスを維持できるようになる。

●AI:エモパーを楽しく使える「ロボクル」

 シャープが目指す「人により添う家電」のコア技術である「AI」も、スマートフォンへ積極的に取り入れていく。

 その新しい形として提案するのが、AI機能「エモパー」と連動する充電台「ロボクル」だ。ロボクルにAQUOS Rをセットすると、充電台が回転し、AQUOS Rの各種センサーやカメラが検知した人に向けて、エモパーがニュースや天気などの情報を話しかけてくれる。

 ロボクルは「スマートフォンを常に触っている生活から脱却してほしい」(小林氏)との思いら生まれた。「スマートフォンを遠くに置いていても、いろいろ気遣ってくれる」(同氏)ため、家の中でスマホを手にする時間が減るかもしれない。

●ユーザーインタフェース:ホーム画面も一新

 シリーズ変更に伴い、UI(ユーザーインタフェース)も一新。まず、AQUOS ZETAやAQUOS Xx3などで側面に搭載していた指紋センサーは、AQUOS Rではディスプレイ下に移動した。これは「よりスムーズに指紋認証しやすくするため」(シャープ担当者)。画面が消灯した状態からでもセンサーに触れれば、ロックを解除できる。

 このセンサーが搭載されているボタンは、押し込むタイプの物理キーではなく、センサーキーとなる。指紋認証の他に、設定によってホームボタンとして使うこともできる。

 ホーム画面は、これまでは縦方向にスクロールする独自のインタフェースを採用していたが、AQUOS Rでは「ホーム」と「アプリ一覧」を個別に表示する、一般的なAndroidスマートフォンに近いものに変更された。担当者によると、「従来のUIはケータイから乗り換えるユーザーが違和感なく使えるようにしたものだが、その役割が終わりつつあるため」とのこと。

 ちなみにアプリ一覧を呼び出すボタンは用意されておらず、画面下部から上方向にスワイプすると、アプリ一覧が表示される。少しクセがあるので、慣れるまでに時間がかかるかもしれない。

 また、これまで個別に用意されていたAQUOSの独自設定は、「設定」の「AQUOS便利機能」に集約された。120MHz駆動の「なめらか倍速表示」を適用するアプリも、ここから個別に設定できる(従来は「設定」→「アプリ」から個別に設定する必要があり分かりづらかった)。

 ハードのインタフェースという点では、外部接続端子がUSB Type-Cに変更された。急速充電の「Quick Charge 3.0」もサポートする。

●1年間で100万台を販売する

 シャープはAQUOS Rを、1年間で100万台販売することを目標に掲げている。これは「2016年夏モデルと比較して40%多い数字」(小林氏)だという。シャープにとっては強気の数字だが、ブランドを統一したことに加え、「液晶の性能やカメラの画質といった、満足度の高い機能が研ぎ澄まされることで、競争力のある商品になっている」と小林氏は自信を見せる。

 一方で競合のソニーモバイルは「Xperia XZ Premium」、サムスン電子は「Galaxy S8」「Galaxy S8+」といったフラグシップモデルをグローバルでは発表済み(恐らく日本でも発売されるだろう)。スペックや性能はこれらのモデルと十分渡り合える内容なだけに、いかにしっかりブランディングできるかが、勝負の分かれ目といえる。またシェアの上積みを狙うなら、富士通が「arrows M03」でシェアを伸ばしたように、SIMロックフリー市場での展開も期待したい。

最終更新:4/19(水) 12:13

ITmedia Mobile