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19市町村の除染廃棄物搬出完了

4/18(火) 10:22配信

福島民報

 中間貯蔵施設(福島県大熊町・双葉町)への除染廃棄物の輸送で、平成28年度末までに対象52市町村のうち19市町村で輸送が完了し、会津地方から除染廃棄物がなくなった。環境省が実施状況をまとめた。同省は29年度、残る33市町村から前年度実績の約3倍となる約50万立方メートルを運び出す方針。学校からの搬出を優先する考えで、計画通りに進めば29年度末時点で校庭などの現場保管量は最大時の30万立方メートルから半減する。

 ■学校保管半減へ

 同省によると、28年度は会津若松、下郷、南会津、猪苗代、会津坂下、湯川、柳津、三島、昭和、会津美里の会津地方10市町村と県南地方の矢祭、塙、石川3町の計13市町村から計18万3734立方メートルを輸送した。目標の15万立方メートルを3万3734立方メートル(22・5%)上回った。 
 27年度のパイロット(試験)輸送で6町村から搬出した4万5382立方メートルとの累計は22万9116立方メートルとなり、目標の20万立方メートルより2万9116立方メートル(14・6%)多い。同省によると、大熊、双葉の両町が一時保管場として町有地への輸送を了承したことで、当初の予定よりも輸送量を増やせたという。 
 一方、県内の学校や幼稚園など教育関係施設の敷地内に現場保管された除染廃棄物は約30万立方メートルに上る。27年度の試験輸送では約6千立方メートル、28年度は4万1593立方メートルを輸送した。29年度は中通りと浜通りの14市町の学校などから計約10万立方メートルを運び出す計画で、実現すれば教育施設全体の約半分まで減る。 
 中間貯蔵施設の用地取得は3月末時点で1600ヘクタールのうち、376ヘクタールが契約済みとなっている。同省は既に調査を終えている地権者も多く、用地取得は順調に進むとみている。このため「30万~50万立方メートル」と幅を持たせていた29年度の輸送量見通しを、28年度実績の約3倍となる50万立方メートルと明確化した。 

 今年秋には整備を進めている土壌貯蔵施設の運用が始まる。30年度の輸送量は90万~180万立方メートル程度を確保できるとみており、除染廃棄物を運ぶトラックの往来が大幅に増える。このため輸送路の舗装を厚くするなどの対策を講じている。 
 県内では除染作業が続いており、同省は今後、発生する除染廃棄物は最大2200万立方メートルと推計している。用地取得や施設整備が順調に進めば、32年度までに500万~1250万立方メートルを輸送できるとしている。 

 ■ダンプ1日350往復必要 中間貯蔵施設への今年度輸送

 東京電力福島第一原発事故に伴う中間貯蔵施設(大熊町・双葉町)への除染廃棄物輸送を巡り、環境省が平成29年度に計画する50万立方メートルを達成するには、大型ダンプが一日当たり平均350往復する必要がある。輸送量の増加に伴い、安全対策が課題となっている。 

 中通りと浜通りの33市町村から輸送する50万立方メートルのうち、施設が立地する大熊町から搬出可能と見込んでいる最大量は3万3千立方メートル、双葉町は3万立方メートル。これとは別に14市町の学校や幼稚園などは10万立方メートルを予定している。 
 積雪時期を避け、春から秋にかけて輸送する方針だ。同省は除染廃棄物の保管状況などによって輸送量が変わる可能性があるとしている。 
 約18万立方メートルを搬出した28年度の総輸送車数は3万509台だった。29年度は前年度の約3倍の量を輸送する計画となり8万~9万台を稼働させる必要がある。 
 一方、輸送量の増加に伴い交通事故や誤った輸送ルート通過などの増加が懸念されている。昨年6月以降、輸送車による一般車両との衝突事故、電柱への接触事故などが双葉町で2件、大熊町で1件起きた。輸送路の間違いは昨年9月以降、少なくとも12件確認された。 
 同省は交通事故が起きやすい危険箇所を洗い出し、各輸送事業者に周知徹底する考え。ルート誤認対策として間違いやすいルートの交差点に看板を設置し、誘導員を配置した。 

福島民報社

最終更新:4/18(火) 10:33
福島民報