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米国抜きTPP探る 「2国間」かわす算段 日豪閣僚きょう会談

日本農業新聞 4/18(火) 7:00配信

 政府は、米国を除く11カ国による環太平洋連携協定(TPP)発効に向け、参加国との協議を本格化させる。18日には石原伸晃TPP担当相が、オーストラリアのチオボー貿易相と会談する。同日は日米経済対話も始まる。米国が2国間協議で大幅な農業の市場開放を迫ってくるのを、かわす手段になるとみて、5月のTPP閣僚会合で米国抜きの発効に道筋を付けたい考えだ。だが、11カ国の足並みはそろわず、一方の日米2国間協議も視界不良。今後の展開には不透明感が漂う。

 閣僚会談に先立ち、日本は先週、ニュージーランド(NZ)と実務者間で米国抜きのTPPについて協議した。NZはオーストラリアと共に、米国抜きTPPの旗振り役。NZは、11カ国の実現に向けて日本の主導力に期待感を示したが、日本側はまず日米経済対話の情勢を見極めると表明するにとどめた。

 だが、実際には11カ国での発効に向け検討に入っている。TPPは、関税撤廃・削減などの交渉結果は既に確定し、発効の手続きが進むのを待つだけ。一方の日米経済対話は、交渉内容や期間がどうなるか全く見えない。交渉関係者は、この違いが重要とみる。

 日米の自由貿易協定(FTA)交渉に発展した場合、米国がTPPを上回る農産品関税の大幅削減を迫ってくる恐れが高く、長期化が避けられない。早期に成果を得る必要に迫られている米国に不都合な展開だ。日本は、「それならばTPPがある、と言い返せる」(交渉関係者)と、2国間交渉からTPP回帰へと誘導したい考えだ。

 不安材料は、11カ国の足並みがそろっていないことだ。11カ国のTPPに前向きなオーストラリア、NZに対し、チリは、中南米による太平洋同盟を核にアジア太平洋地域の経済連携を進めたいと表明。ベトナムなど新興国は、米国の巨大市場への輸出拡大という利益を見込んでルール分野で譲歩したため、米国抜きのTPPに慎重姿勢を取る可能性が高い。

 このため日本政府は5月20、21日のアジア太平洋経済協力会議(APEC)貿易相会合の合間にベトナムで開かれるTPP閣僚会合で、TPPの方向性を確認したい考え。その前段階として、5月上旬にカナダで実務者会合も予定する。

 ただ、米国抜きでは発効しない現行のTPPの発効規定の見直しなど技術的な課題もある。協定とは別に議定書を結んで有志国で発効する方法も検討されているが、参加国が少なければ米国の方針転換は望みにくい。日本では再び国会承認の手続きが必要になる。

日本農業新聞

最終更新:4/18(火) 7:00

日本農業新聞