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「火山が爆発する」明治の熊本地震でもデマが蔓延していた。見つかった当時の記録

4/18(火) 6:20配信

BuzzFeed Japan

発生から1年が経った熊本地震。実は、明治時代にも同様の地震があったことが、改めていま、注目されている。熊本市は震災後、当時の「熊本明治震災日記」を現代語訳にして復刊させた。当時の市井の様子、行政や軍隊の対応策などが事細かに記されている、貴重な資料だ。【BuzzFeed News / 籏智広太】

【写真】あれから1年、被災地はどう変わったのか。いまの様子と比べてみると…

そこに描かれている内容からは、デマに惑わされ、パニックに陥る市民たちと、それを必死に整えようとする行政や新聞社の苦悩が見て取れる。現代に伝わる教訓とは、何なのか。

127年越しに繰り返されたデマ

1889(明治22年)7月28日。

午後11時40分ごろ、熊本地方を推定マグニチュード6.3の直下型地震が襲った。

この年、新たに発足したばかりの熊本市は大混乱に見舞われた。人口約4万2700人あまりの街で、死者は21人、負傷者は59人、建物の全半壊はあわせて256棟に及んだという。

この際、熊本で初めての新聞発行者だった水島寛之(みずしま・かんし)によってまとめられたのが「熊本明治震災日記」だ。

2016年の熊本地震では、「動物園の檻からライオンが脱走した」「クレア(イオンモール)で火事が起きた」などのデマがSNS上で蔓延。テレビ局が火災を報じてしまうなど、混乱を助長させた。

これは127年前の熊本でも、同じだった。

火山の噴火、軍隊の逃走……

震災日記を読むと、「火山が噴火する」「また大地震が起きる」「軍隊が逃げ出した」などという根拠不明の「デマ」が蔓延し、市民が大混乱に陥ったことが伝えられている。

たとえば、こんな記載がある。

「二十九日(震災翌日)の午後になって、不思議な噂が我が熊本に蔓延した」

いまの熊本市西区にある「金峰山」が噴火する、だからみんなが逃げている……。長引く余震に不安な市民たちは、伝聞でどんどん噂を広げた。

「民衆がひたすら怖れたのは、金峰山または二ノ岳の破裂による災禍だった(中略)。本日の何時には激烈な地震があるらしい、今度の何時には西山が爆発するに違いないと」

8月3日に大きな余震があると、デマは再び勢いを増した。

「去る三日、熊本市全域が、今にも火山灰に埋もれるであろうという奇怪な噂が流れてから、市外に避難しようと逃げる者が多かった」

流言は流言を呼び、大勢が市外に逃げ出し、街は閑散としたという。騒ぎは市内にあった銀行が休業するまでに発展してしまった。

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最終更新:4/18(火) 6:20
BuzzFeed Japan