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地政学リスク増大、相場・市況は“神経戦”の様相に

日刊工業新聞電子版 4/18(火) 13:29配信

軍事行動に緊張高まる

 地政学リスクの増大が市場に影を落としている。米国がシリア攻撃に加え北朝鮮への圧力を強化。16日には北朝鮮が失敗したとはいえミサイルを発射するなど緊張が高まっている。すでに先週末の東京株式市場の株価は年初来安値を更新し、為替も5カ月ぶりの円高を記録。原油価格も産油国の減産で1バレル=50ドル台を超えてきた。当面は神経質な相場が続きそうだ。

 日経平均株価は3月13日に年初来最高値の1万9633円を記録後、下落基調に突入。市場では“トランプ相場”はピークを終え、4月末まで株価の調整が続くとの見方が出ている。14日の日経平均の終値は1万8335円63銭と、3日連続で年初来最安値を更新した。シリアや北朝鮮をめぐる地政学リスクの高まりや、軟調な米株式市場の影響が響き、調整局面を迎えている。

 日本の株式市場に大きな影響を与えるニューヨーク株式市場のダウ平均株価も3月1日に史上最高値の2万1000ドル超えの後、やはり調整局面に突入。みずほ証券エクイティ調査部の三浦豊シニアテクニカルアナリストは「米トランプ政権の政策能力への疑問が市場に生じている」という。

地政学リスク重し

 トランプ米大統領は3月に医療保険制度改革法(オバマケア)の代替案を撤回するなど、掲げてきた政策が早くも挫折。これを受け目玉政策である減税やインフラ投資1兆ドルの政策目標への疑念も再浮上し、米株式市場の軟調な状況が続く。

 市場ではダウ平均株価が2万500ドルを下回り、当面は1万9800―2万ドルが下値ラインになるとの見方もある。

 この軟調な地合いに、中東と朝鮮半島という二つの地政学リスクが重なる。すでにリスクを嫌った投資家が安全資産である円を買う動きが進み、日本経済をけん引してきた輸出関連企業の株を中心に売られる傾向が出ている。当面の日経平均株価の下値のボーダーは1万8000円前後との予想もある。

 地政学リスクは「折に触れて出てくるリスクで、相場の重しとなる」(同)。国際情勢の緊張が長期化すれば、株式市場の上値を抑えて景気に影響を与える恐れもありそうだ。

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最終更新:4/18(火) 13:29

日刊工業新聞電子版