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“性犯罪を厳罰化“ 110年ぶりの刑法見直しに被害者が激白

AbemaTIMES 4/18(火) 18:50配信

(C)AbemaTV

 性犯罪を厳罰化した刑法改正案が今国会に提出されている。去年9月に要綱を法制審議会が採択し、今年3月に改正案が閣議決定した。法案が成立すれば110年前の刑法制定以来、性犯罪について初めての大改正になる。

 明治時代に作られた「強姦罪」は、男性が暴行や脅迫によって女性に無理やり性行為をするものを指していたため、今回の改正案では名称を「強制性交等罪」に変更。女性に限られてきた被害者については男性も対象になるほか、法定刑を懲役3年以下から5年以上に引き上げ、被害者の精神的負担を減らすため、告訴がなくても容疑者を起訴できるようにする。

 自身も13歳から7年間にわたって父親から性暴力を受けた経験を持っている山本潤氏(「性暴力と刑法を考える当事者の会」代表)は、「人を刺したら傷害罪で当然捕まるのに(非親告罪)、性暴力の場合、被害者が訴えるか訴えないかを決めないといけなかった(親告罪)。“あなたが訴えなければ、あの人は捕まらなくて済んだのに“といった周囲の目もある。これが大きな負担になってきた」と指摘する。

 「密室や、邪魔されない状況を性暴力の加害者が選ぶことが多いので、第三者が目撃するのは難しい。ドアから逃げようとしているとか、壁から声が聞こえるとか、身体に傷が残ってしまったなど、誰が見ても分かる明らかな証拠がある場合にのみ認められることが多かった」(山本氏)。

 NPO法人「しあわせなみだ」理事長の中野宏美氏も「被害者が告訴を考えている時に、加害者側の弁護士から取り下げの圧力がかかることがある。その結果として裁判をせずに示談となり、事件化しないことがある。国、社会が罪として認めないということになっている」と話し、非親告罪化による効果に期待を寄せる。

 また、山本氏は「いままで男性の被害者は強姦の被害者にはなれなかった」として、今回の改正案に一定の評価ができるとした。

 しかし被害者自身が暴行、脅迫されたことを立証しなければならないことや、仕事の取引先など関係上拒否しにくいケースなどでの「性交渉の同意」のあり方など課題は残る。今回の改正案でも「被害者が必死に抵抗しなかった」と見られれば、加害者が無罪になる「暴行・脅迫要件」は残ったままだ。

 山本氏は「怖くて“嫌だ“と言えなかったことで、強姦罪、強制わいせつ罪にならない場合がある。いきなり襲われたら、人は固まってしまう。その状態で抵抗できなかったのに『あなたはそれを受け入れたのだから合意ですね』と言われてしまう」と指摘する。

 中野氏も、レイプされ妊娠、中絶したにも関わらず「無罪」になった事例。被災者の避難所で声が出しづらかったケースや、パーティの雰囲気を悪くするからと、声を上げるのを我慢したという事例などを証言した。また、「冤罪はあってはならないことで防がないといけない。しかし冤罪があるからといって罪を裁かなくて良いということではない」と話し、他の犯罪に比べ、性犯罪で冤罪の可能性が強く主張されるケースが多いことに疑問を呈した。

 性犯罪を防止し、被害者を保護するために、法改正以外で何が必要なのか。

 山本氏は欧米に比べ日本はシステム・国民の意識の面で遅れていると指摘、「(被害者を)まず病院に連れていくのが世界のスタンダード。そうしてちゃんと証拠を取れれば、被害を認定することにつながる」「厳罰化と共に性教育を学校でちゃんとして欲しいと思う。そして性暴力を理解してくれる信頼できる大人に言って、被害を明るみに出し、周囲が適切な対応をすることが何よりも重要です」と話した。(AbemaTV/AbemaPrimeより)

最終更新:4/21(金) 18:49

AbemaTIMES