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社会インフラ “宅配便” 再構築、ドローンは過重労働問題の救世主か

4/18(火) 16:05配信

日刊工業新聞電子版

政府、対策乗り出す

 ヤマト運輸が宅配便の基本運賃を引き上げることになった。インターネット通販の急増に伴う荷物量の増大とドライバー不足による過重労働問題の解決策の一つと期待される。だが今後も人手不足は続くとみられ、問題解決に向けて官民で知恵を出す必要がある。

 基本運賃の引き上げは、消費税増税時を除き1990年以来27年ぶり。同時に配送時間を改定するほか、ネット通販業者など法人利用者との料金改定交渉を進める。宅配に依存して急成長してきたネット通販業者にとっては大きな転機となろう。

 米国ではアマゾン・ドット・コムが、巨大な飛行船からドローンで宅配する特許を申請したという。飛行船につり下げた倉庫からドローンが商品を注文者宅まで届けるという仕組みだ。何とも奇抜な発想だが、こうした大胆なアイデアも排除すべきでない。

 宅配便は今や社会インフラの一つであり、今後もネット通販の拡大による荷物量の増加は避けて通れない。国土交通省の調査によると、2016年のトラック輸送による宅配便貨物の取り扱い個数は約38億6896万個と、過去最高を更新した。

 ドライバー不足と荷物量の増加が同時に起きていることが宅配便業者を苦しめる。さらにその負荷を高めているのが再配達制度だ。最初の配達時だけでなく、再配達時にも不在の注文主が少なくないという。ドライバーは一つの荷物を何度も持ち帰って届ける事態になり、社会的な損失も大きい。

 当面、再配達を抑制するには、駅や公共施設で受け取れる宅配ロッカーの普及拡大や、コンビニエンスストアなどの受け取り拠点化、再配達分の料金上乗せなどが有効だろう。政府は再配達削減に向けた検討会を設け、コンビニ受け取りの地域インフラ化などを提案している。加えて、離島などでは真剣にドローン宅配を考えるべきだ。

 消費者に不要不急の即時配送を慎むよう呼びかける方策もあるが、それだけでは限界がある。あらゆる手段を国も産業界も考えなければならない。