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自社端末は格安スマホでファン獲得の切り札になるか

4/18(火) 12:10配信

ニュースイッチ

「フリーテル」、初のブランド店でじかに消費者の声を聞く

 一般の消費者はスマートフォンを契約する際、通信サービスよりも端末を買う意識が強いとされる。このため一般層の顧客獲得には、格安スマホ事業者が通信サービスと合わせて提供する“端末”が力を発揮する。格安スマホの契約者は一般層に広がり始め、各社の端末戦略は一段と大きな競争軸になりつつある。こうした中、一部の事業者は自社開発した端末を武器に存在感を高めている。

 格安スマホ「フリーテル」ブランドを展開するプラスワン・マーケティング(東京都港区)。3月1日に都内など6カ所に開設した初のブランド店は、すべて直営だ。「メーカーとして良い端末が提供できるようになってきた。店舗で我々の従業員が自社の端末を紹介し、じかに消費者の声を聞く。それを(良い製品作りに)反映する」。増田薫代表取締役は端末メーカーとしての手応えを感じ、直営店の開設に踏み切った。

 同社は日本品質を掲げる自社端末と、通信サービス「格安SIM」を提供する基本戦略を展開し支持を得ている。調査会社のMMDLabo(同渋谷区)の吉本浩司社長は「端末を自ら製造する『企業姿勢』を応援する利用者は多く、ファンを獲得している。今後(友人などに)推奨する利用者が増えそうだ」と予測する。

 自社端末は特定の需要を開拓する武器にもなる。NTTレゾナント(同港区)は「SIM2枚を同時に使えるDSDS機能を持つ安価なスマホ」を基本概念に設定。それを基に開発した自社端末「g07」は好調に推移する。

 NTTレゾナントのメディア事業部ポータルサービス部門の植本直樹担当課長は「(大手キャリアのSIMと格安SIMの併用により)キャリア携帯と同じ使い方のまま、利用料を抑えられる。ただDSDS機能付き端末はスペックが高く、高価なものばかりだった。g07は端末に高いスペックを求めない主婦層に評価された」と説明する。

 両社のように端末を自社開発する場合、他の格安スマホ事業者にはない独自色を鮮明に打ち出せる。ただ「在庫リスクを抱える」(横田英明MM総研取締役)ため、端末の売れ行き次第で業績は大きく変動する。リスクを減らすには、潜在的なニーズを探し出し端末に反映できるかが重要になる。

 一方、多くの格安スマホ事業者は、充実したラインアップを武器に訴求する。特に大手キャリア傘下の「ワイモバイル」や「UQモバイル」が3月に「iPhone(アイフォーン)SE」を発売するなど、調達力で他社を圧倒する。ほかには「楽天の調達力も高い。また、1月にKDDI傘下に入ったビッグローブが(端末の充実に向けて)仕掛ける可能性がある」(吉本MMDLabo社長)と言われる。

 格安スマホ市場が拡大する中、大手キャリア傘下の格安ブランドなどが豊富な品ぞろえの強みを発揮し、市場を占有するのか。それとも自社端末を持つ事業者が独自の機能でファンを集めるのか。端末を軸にした顧客獲得競争は一段と熱を帯びそうだ。

日刊工業新聞第一産業部・葭本隆太

最終更新:4/18(火) 12:10
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