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がん予防薬開発に道。北大が初期細胞の代謝変化を解明

4/18(火) 16:44配信

ニュースイッチ

器官ミトコンドリアの機能が低下

 北海道大学遺伝子病制御研究所の藤田恭之教授らは、がんの初期段階で起こる代謝の変化を解明した。細胞内でエネルギーを作る器官ミトコンドリアの機能が低下する一方、別のエネルギー反応経路「解糖経路」の働きが活発になった。がんの超初期段階に起きる現象をさらに明らかにすることで、がん予防薬の開発につながる可能性がある。成果は18日、英科学誌ネイチャー・セル・バイオロジー電子版に掲載される。

 これまで正常な細胞が変異細胞を認識して起きる作用は確認されていたが、変異細胞に起きる変化や排除のメカニズムの多くは不明だった。

 研究チームは、正常細胞に囲まれた変異細胞を人工的につくりだし、変異細胞の代謝を解析。ミトコンドリアの活性を蛍光色素の発光で調べたところ、変異細胞のみでは代謝に変化はなかったが、正常細胞に囲まれると発光がなくなり、活性が低下していた。

 変異細胞の解糖経路では、エネルギー生成が活発になる変化が起きたが、解糖経路の働きを阻害すると細胞排除は起きず、代謝の変化が変異細胞の排除に関わることを示した。

 正常な細胞が変異細胞を駆逐する際、正常細胞に炎症や感染などが起きると排除する力が弱まることが分かってきている。藤田教授は、「健康な人の細胞にも、がん予備軍のような細胞が存在する。正常細胞が与える変異細胞への影響や初期段階の変化を明らかにし、がん予防につなげたい」としている。

最終更新:4/18(火) 16:44
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