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【ブラジル】旅行業界の回復始まる 需要は「より短期間」「より安い宿」へ

サンパウロ新聞 4/18(火) 2:12配信

 ブラジル経済の回復がいまだ弱々しいにもかかわらず、旅行業界では国内旅行、国外旅行を問わず個人向けパック旅行の販売が回復の兆しを見せ始め、それと同時にビジネス旅行の需要も徐々に拡大している。ブラジル旅行業者会(Abav)は2017年の販売が前年比で10~12%伸びると見込んでいる。また、ブラジル・ビジネス旅行代理店協会(Abracorp)は、2年続けて業績が前年を割り込んだ後の17年には少なくとも5%の販売拡大を期待している。

 6日付伯メディアによれば、Abracorpの会長で旅行・イベント大手、コスタ・ブラバ社(Costa Brava Viagens e Eventos)の最高経営責任者(CEO)であるルーベンス・シュワルツマン氏は「1月と2月はまだ低調な月だったが、我々は3月には旅行件数が再び熱を帯びると感知した。棚上げされていた各種イベントが催されるようになり、市場は本当に戻った」と述べ、さらに「(17年)3月は我々の歴史の中で最も良い月だった。我々は21%の販売増で第1四半期(1~3月)を終えた」と話す。

◆週末連休、FGTS、為替が好影響

 Abavのエヂマル・ブル会長によると、17年には週末が絡む連休が多い、勤続期間保障基金(FGTS)の休眠口座からのお金の引き出し、ドルの安定、といった要因もまた、現在の旅行需要の高まりに寄与している。ブル氏は「ブラジル人は休暇中に旅行することを止めることはできないが、旅行の中身を変化させた。もうショッピング旅行には出かけない。そして旅先に20日間滞在していた旅行者の今の滞在期間は15日間だ。15日間滞在していた人は今は10日間の滞在だ。四つ星ホテルに宿泊していた人は今は三つ星ホテルに泊まっており、それが我々のより大きな復調を後押ししている」と話す。

 週末絡みの連休を利用して行われる旅行だけで、17年には210億レアル(約7350億円)の経済効果があると観光省は推計している。

◆代理店大手CVC、3月の販売過去最高に

 ブラジルの旅行代理店最大手のCVC(CVC Viagens)は今年3月、同社の44年間の歴史上最大の販売額を記録。観光旅行部門の販売額はこれまで最高だった16年10月の5億3800万レアルを上回る5億5400万レアルに達した。そして、17年第1四半期の既存店の販売額は16年同時期に対して6.2%増と、この期間の物価上昇率(4.76%)を上回る伸びを記録した。また、今年1~3月の同社グループ全体の確定予約件数は、16年1~3月に対して11.9%増と大きく伸びた。

 旅行の販売は増加した。しかし同社によると、成約した各パック旅行の中身はより短い旅行日数、より安いホテルの利用、より多くの地上交通手段の利用といったように、以前に比べてスリムになったという。同社のルイス・エドゥアルド・ファルコ社長は「当社の客単価は少なくとも4年前から変わっていない」と話す。同氏によれば、今年1~3月に販売されたパック旅行の平均価格は1390レアルで、その100%が最大12回までの分割払いだ。

◆為替安定で国外旅行の需要が回復

 CVCの顧客の間で最も人気の高い行き先は、ブラジル国内ではバイア州ポルト・セグーロ、アラゴアス州マセイオー、リオ・グランデ・ド・ノルテ州ナタル。そして国外では米国フロリダ州オーランド、アルゼンチンのブエノス・アイレス、ドミニカ共和国のプンタ・カナが人気だ。

 同社によると、17年第1四半期の販売の伸びは1ドル=3.20レアルあたりで為替レートが安定していることを背景とした国外旅行部門の回復に引っ張られた。この3カ月間の国外旅行の確定予約件数は16年同時期に対して37.1%増と激しく増加した。

 しかし、国外旅行の需要が復調したにもかかわらず、同社の売り上げ全体に占める国外パック旅行のシェアは依然として、これまでの最大水準である40%には届いていない。ファルコ社長は「経済危機が始まり1ドル=4レアルとなった時、(売り上げ全体に占める)国外パック旅行のシェアは25%にまで落ちた。1ドル=3.20レアルとなって国外旅行は本当に拡大してきたが、(シェアは)まだ35%あたりだ」としている。

 主要な国際空港であるグアルーリョス、ビラコポス(いずれもサンパウロ州)、トム・ジョビン(リオ州)各空港の17年1、2月の出発旅客数のデータは、国外への旅客数が16年同時期並みだったことを示している。しかし、ブラジルの航空各社のデータによると、今年1、2月の国際線の旅客数は、19カ月連続で前年同月割れしている国内線とは反対に、16年1、2月に対して6.7%増加した。

 Abavのブル会長は「国際観光は戻ってきている。しかし、費用がいまだに家族旅行にとって非常に高額であるため、回復のペースはまだゆっくりだ」としている。

サンパウロ新聞

最終更新:4/18(火) 2:12

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