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胸に刺さる愛の写真展 、京都の歴史的建物で

Lmaga.jp 4/18(火) 7:00配信

京都市内の寺院、町家、近現代建築、通常は非公開の歴史的建造物など、市内各所16会場を舞台に、国内外の優れた写真家を紹介する『KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭』が、5月14日までおこなわれています(「美術館「えき」KYOTO」のみ4月26日スタート)。

【写真】妻リタとの新婚旅行を綴ったプライベート写真作品、ルネ・グローブリ「The Eye of Love」(京都文化博物館 別館2階)/『KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2017』、5月14日まで

今回のテーマは「LOVE」。愛は人間の根源的な感情・概念ですが、地域、歴史、宗教、生活環境などの背景により差異を持ち、時には戦争や暴力の火種にもなります。だからこそ我々は、愛がいかに大切なものかを再認識し、多種多様な愛を認めようと訴えているのです。

そのテーマを前提に、筆者おすすめの展示を紹介しましょう。まず「元・新風館」(京都市中京区)の「吉田亮人」。彼は、自身の従兄弟と祖母をテーマにした作品を発表しています。従兄弟は祖母と生活を共にし、献身的に支えましたが、ある日突然姿を消し、1年後に遺体で発見されます。そして翌年には祖母も他界しました。吉田は写真家を志した頃から2人の日々を撮り続けており、この不思議な、けれど愛しい関係を淡々と伝えています。見るうちに様々な感情が去来し、胸に突き刺さるような作品でした。

また「嶋臺(しまだい)ギャラリー」(京都市中京区)の「ハンネ・ファン・デル・ワウデ」は、オランダの片田舎に住む老夫婦エミーとベン、兄弟らの日常をドキュメントしており、まるで桃源郷のような幸福感に浸れます。「京都文化博物館 別館2階」(京都市中京区)の「ルネ・グローブリ」は、妻リタとの新婚旅行を綴ったプライベート写真で、その濃密な視線と距離感に魅惑されました。なお、同会場にはネスプレッソのラウンジが併設されており、パスポートを提示すれば、美味しいコーヒーを無料で味わえます。

ほかの展示も、巨匠のロバート・メイプルソープ(@誉田屋源兵衛 竹院の間)、アーノルド・ニューマン(@二条城 二の丸御殿台所・東南隅櫓)、荒木経惟(@建仁寺・両足院)の個展を筆頭に見応えたっぷり。会場となる建物の建築の魅力も相まって、このフェスティバルでなければ味わえない感動に満ちています。写真ファン、アートファンはもちろん、春の行楽で京都に出かける予定の方にもおすすめします。

取材・文・写真/小吹隆文(美術ライター)

最終更新:5/1(月) 12:28

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