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運輸・物流で人手不足“慢性化” 運転手確保、京都でも悩み

京都新聞 4/19(水) 8:40配信

 事業所や個人宅に荷物を運ぶ運輸・物流業界で、人手不足が慢性化している。中でもトラック運転手の確保が難しく、京都でも人手のやり繰りに悩む企業は多い。社会を支える重要な職業として認知してもらおうと、行政と業界団体が連携し、仕事の魅力をアピールする取り組みも始まった。
 「3、4年前から輸入貨物が増え始め、運転手が常に足りない。昔は車好きというだけで入社してきたが、今は運輸業界で働こうという人が少なくなった」。家具や工業材料の配送を担う京都市伏見区の運輸会社社長は、常態化するドライバー不足をそう嘆く。
 若者の獲得に向けて同社は昨年、スマートフォン向けの求人サイトを作り、研修も手厚くした。昨年度はトラック乗務員として18人を採用したが、1年以内に半数が辞めた。社長は「私たちの仕事は社会を支えるインフラと言えるが、労働者の流出に歯止めがかからない。業界全体の待遇改善やイメージアップが必要だ」と語る。
 運転手不足は年々顕著になっている。京都労働局によると、タクシーなどを含むドライバー職の有効求人倍率は、常用雇用で2013年平均が2・21倍だったが、16年平均は3・49倍にまで上昇した。求人数はほぼ一定ながら、採用を拡大する製造業やサービス業などと競合が激化し、求職者数が減少しているのが大きな要因だ。
 中でも業界が危機感を抱くのが、20~30代の新規就業の少なさ。総務省の労働力調査(14年)では、道路貨物運送業で働く40~54歳の割合は44・3%。全産業平均の34・1%より10ポイント以上高い。
 人手不足の深刻化を受け、国土交通省京都運輸支局や京都府は、府トラック協会(伏見区)とともに物流の実態を伝えるセミナーや現場見学会を始めた。
 「運輸は『つらい』と思われがちだが、今はそうではない。運賃競争もサービス競争に移行しつつある。どうか日本の物流を担ってほしい」。2月に京都市南区で初開催されたセミナーで、物流支援会社ロジスティクス・サポート&パートナーズ(東京都)の石橋岳人常務は、参加した求職者に物流の役割をそう力説した。
 3月には日本通運の南京都物流センター(久御山町)を視察。求職者らがトラックの荷物をフォークリフトで下ろす作業を見学し、大型トラックの運転席への乗車も体験した。参加した京都市内の男性(37)は「具体的に仕事内容をイメージできた」と話した。
 日通京都支店(下京区)の水瀬英樹総務課長は「宅配に限らず、インターネット通販の増加で運輸業界の仕事量は増えている」と話し、採用枠を高卒者に広げたことを説明。同社が大型免許の取得をサポートし、長期的に人材を育成するという。
 ただ、他業界との競争の中で若い人材を獲得するには、給与や労働時間を含めた待遇の向上が欠かせない。中小の運輸会社はその元手となる経営資源に乏しいだけに、荷主との値上げ交渉がどれだけ進むかが今後の動向を左右しそうだ。

最終更新:4/19(水) 8:46

京都新聞