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【マレーシア】KLの高級住宅、外国人流出で賃料低下

NNA 4/19(水) 11:30配信

 マレーシアの首都クアラルンプール(KL)の高級高層住宅の賃料が下落している。石油・ガス業界を中心に外国人の雇用が減り、高級物件の需要が減退しているためで、特に中心部のKLCC地区やモントキアラ地区の物件が大きな影響を受けているもようだ。18日付マレーシアン・リザーブが伝えた。
 英系不動産コンサルタント会社ナイトフランク・マレーシアのサクナン・スブラマニアム社長が同紙に明らかにしたところによると、外国人に人気のKLCC、モントキアラの高層コンドミニアムは、石油・ガス業界などで雇われていた外国人の流出によって、4年ほど前から需要が減り、空室率が上昇している。このため、月額賃料が1万2,000リンギ(約29万6,000円)だった物件で、現在は8,000リンギまで下落している例もあるという。
 マレーシアでは石油・ガス、金融、サービス業界などで多くの外国人が雇用され、企業側が家賃を負担するなど高待遇を与えている。しかし、原油価格の下落で石油・ガス業界は経営環境の悪化を受けてリストラに乗り出しており、国営石油会社ペトロナスはこれまでに約2,300人を解雇した。人件費が高い外国人が、リストラの主な対象となっており、外国人に人気がある地区の高級高層住宅の空室率悪化を招いている。
 サクナン社長は、バングサ、ダマンサラハイツなど高級物件が少なく、競争が激しくない地域では、中心部やモントキアラと比べて賃料の値下げ圧力は緩やかだと指摘。それでも、今年の賃料は上昇が見込めず、横ばいにとどまるとの見通しを示した。
 一方、投資銀行アフィン・ホワン・インベストメントバンクのローン・チーウェイ氏は、KLの高級高層住宅は外国人の借り手が減っているほか、新たな物件の完成で供給過剰となり、借り手市場になっているとしながらも、景気回復に兆しが出ており、雇用増加が見込めるため、長期的には賃料が安定化に向かうとの見方を示している。
 高級住宅の需要減少は賃貸だけでなく、分譲物件の価格も圧迫している。ナイトフランクの調査によると、KLでは2016年下期の既存物件の取引件数が2,542戸、取引総額が18億2,100万リンギとなり、それぞれ前年同期から26%、30%の幅で低下した。

最終更新:4/19(水) 11:30

NNA