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「小嶋陽菜はカッコイイ!」知られざる苦悩と葛藤、そして“AKB48愛”

夕刊フジ 4/19(水) 16:56配信

 16日深夜、19日の公演でAKB48を卒業する小嶋陽菜(29)のドキュメンタリー「AKB裏ストーリー 小嶋陽菜、卒業が遺すもの」(TBS系)が放送された。小嶋の素顔、本音に迫りながら、同期の高橋みなみ(26)、峯岸みなみ(24)、盟友の大島優子(28)、総監督の横山由依(24)らが小嶋の秘められた素顔を語った。

 セレブオーラをまとい、モデル業、CMなど多方面で活躍してきた小嶋。その一方で「後輩たちの道ができるように」とAKB48の未来を見据えながら、さまざまな方法で後輩たちにエールを送ってきた。

 横山は小嶋がかつて買い物に誘ってくれたことを明かし、「表参道とか、青山とか、おしゃれなところへ連れて行ってもらって、『こういうのが合うよ』ってコーディネートしてくれた」と美意識を向上させてくれたことに感謝した。

 小嶋が選抜総選挙で1票を投じたという後輩の篠崎彩奈(21)は選抜総選挙のアピールコメントについて相談。小嶋の返事は「OK!考えとく」という軽いものだったが、後日、LINEで長文でアドバイスが届き、「なんて優しい先輩なんだろう」と感激したという。

 小嶋が後輩のことを考えてアドバイスを送ったのは、実は、ある“危機感”があったからだった。「今までと同じことをやってもだめだろうなって思うんですよね。時代も変わっているし、いろんなトレンドも違うから」とAKB48ブレイク後の数年で時代のサイクルが変化してきたことを指摘した小嶋。

 さらに「今までみたいな受け身で“素人感”だったり、とか、そういう何も考えてないことが受けるような時代ではないのかなと思うので」と付け加え、顧客のニーズが変化してきていることを考察。

その上で「もっとスタッフからメンバーからひとつひとつ考えて、ブランディングして、何かを仕掛けるのが大事な時代になってるのかな」と述べ、時代に呼応したAKB48ブランドの再構築が急務だという考えに至ったと明かした。その後、小嶋は後輩とも積極的に関わるようになった。

 その境地に達したのは、実は2014年の時点で彼女が卒業を考えていたからだった。卒業発表の場をその年の総選挙と想定していたが、「総選挙の何週間か前に握手会で襲撃事件が起きて…。ここでいなくなるのは自分の勝手だし」と告白。握手会で発生したあの事件が自身の卒業に大きな影響を与えたことを打ち明けた。

 総選挙のスピーチで「私、小嶋陽菜はここで卒業発表しようと思いましたが……しませーん」という前代未聞の「卒業しない」宣言を行った小嶋。そして「私はもうちょっとだけここにいて、私ができることをやろうと思いました。私の卒業発表はみんなが心から笑顔になれる時にしようと思います」と誓い、仲間を思いやる優しさをにじませた発言で会場を盛り上げた。

 その時点で卒業発表をしていた大島は「私が卒業した時も『いつまでいるの?』って言ったら、(小嶋は)『やれるだけやってみるよ』って。かっこいいなって女ながらに惚れ惚れしてました」とコメント。“こじゆう”コンビと呼ばれた盟友だからこそ知る彼女の“カッコイイ”素顔を明かした。

 そして小嶋は2016年の選抜総選挙に「にゃんにゃん仮面」として出馬した。このやり方にファンからはさまざまな意見が噴出した。しかし、この出馬は小嶋なりの葛藤がありながらも、熟慮に熟慮を重ねて選択したスタイルだった。

 「私はAKB48の中でどう思われてもいいけど、メディアに出る1つのトピックスとしてあったらいいなと」と真意を語った小嶋。コアなファンだけでなく、AKB48にあまり関心がない層に向けても少しでも話題性や面白さを伝えたいという、いわば私情を廃しての“公”の精神から選抜総選挙を、そして自分を成長させてくれたAKB48というグループを盛り上げるために行ったものだと告白した。

 そんな小嶋の姿勢に高橋は「勇者だと思いますよ」と称賛。さらに「小嶋さんがそこまでやる意味ないんじゃないかとか、請け負わなくてもいいところを『私しかいないよね、やるわ』って。で、やったなら、『凝ってやろうよ』って映像だったりで、面白くやったり。“見出し”になることをやってれくたりしたってことはAKBグループとして小嶋さんに感謝しなければならないこと」と述べ、細部まで、徹頭徹尾こだわった小嶋をねぎらった。

 その総選挙で16位にランクインし、ステージ上で素顔をさらした小嶋は「私、小嶋陽菜はAKB48を“やっと”卒業します!」と、またしてもユニークな形で卒業を発表した。その表現にファンも笑いで応えた。その光景は、まさに14年の総選挙で自身が語っていた“みんなが心から笑顔になれる時”を具現化した卒業発表だった。

 自身の卒業コンサートでは前夜祭を含め、自らセットリストを決めて演出も担当。自分の卒業コンサートでありながら、後輩たちの個性を生かした見せ場などを用意した。

 卒業コンサートでは出だしから前田敦子(25)、大島ら“神7”を登場させ、会場を大いに沸かせた。実際にステージに立った大島は「普段どれぐらい考えて、自分を自己プロデュースして、仕事とか、私生活を送っているかっていうのが、このコンサートで全部凝縮されていて、全部パフォーマンスとして出てるなって。すごいですよ。ここまでやった人」とコメント。小嶋のポテンシャルをほめたたえた。

 12年にわたり、小嶋を同期として公私共に見守ってきた峯岸みなみ(24)は「本当はここにいるべきではなかった天使が暇つぶしで、AKB48に舞い降りて、一時の幸せを見せてくれて、元気を与えててくれて、笑顔を与えてくれた。そして、『じゃあ、そんな感じで、お疲れ!』って舞い戻っていく。その余韻に浸りながら、私たちはAKB48の続きを頑張るのかなって…」と小嶋を天使に見立てた表現で、その功績をたたえた。

 番組放送同日、小嶋は高橋がパーソナリティーを務めるラジオ「高橋みなみの『これから、何する?』」(TOKYO FM)にゲスト出演した。そこで小嶋は「女性の幸せは“与えること”」と発言。「何をするにも人のことを考えた方がいいし、与えないと与えられないから、普段から何でもそう考えている」と話し、高橋を感動させた。12年間のさまざまな経験から、小嶋は、マザー・テレサの名言「強い愛は、分け隔てをせず、ただ与えるものです」に近い「愛の本質は与えること」という“ペイ・フォワード”の境地にたどり着いたようだ。

 AKB48の仲間に、ファンに、その抜群のセンスとユーモアで笑いと感動を届けてくれた小嶋。AKB48人生の集大成となる劇場公演は19日だ。そこで彼女はどんなインパクトを“与えて”くれるのか。最後のパフォーマンスに注目したい。

最終更新:4/19(水) 16:56

夕刊フジ