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2歳児は毎日45分スマホやタブレットを触る?「タッチスクリーンで子供が夜型に」ロンドン大学調査

4/19(水) 6:40配信

ZUU online

「タッチスクリーンが、寝つきが悪く夜型の幼児を作る」という調査結果が明らかになった。

生後6カ月から3歳の子どもをもつ715世帯の家庭を対象に、子どもの日常的なタッチスクリーン(タブレットなど)の利用時間と睡眠パターンについて調べたところ、タッチスクリーンの利用時間が長い幼児ほど夜間の睡眠が浅く、代わりに昼寝の時間が長くなる傾向が強い。利用時間が1時間増えるごとに、平均睡眠が16分短縮されるという。

しかし同じ調査機関から「タッチスクリーンの操作が細かい手先を使う動きの発達に役立つ」との報告もあり、長期的影響を見極めるにはさらなる観察期間が必要だ。

■2歳以上の幼児の9割がタッチスクリーンを利用

この調査はロンドン大学の研究機関、バークベック・カレッジ とキングス・カレッジ・ロンドンが共同で発表した。

2015年6月から2016年3月にわたり、生後6カ月から3歳の子どもをもつ715世帯の家庭を対象に、子どもの日常的なタッチスクリーンの利用時間と睡眠パターンについて回答を集めたものだ。

タッチスクリーンの利用と睡眠の相互関連を探る要素として、従属変数と予測変数に基づいて分析が行われた 。簡単に説明すると、「夜間の睡眠時間」「日中の睡眠時間」「眠りにおちるまでの時間」「夜間に目覚める回数」「タッチスクリーン型デバイスの利用時間」といった外的基準ほか、「TV鑑賞時間」「子どもの年齢・性別」「母親の学歴」といった付随要素を変数化し、データ統計するという手法である。

75%が日常的に子どもにタッチスクリーンを使わせているが、利用率は年齢とともにあがる。1歳未満の利用率は2人に1人の割合(51%)だが、2歳以上3歳未満になると92.05%とほぼ全員が利用している。「毎日は利用させない」親はわずか25%。

1日の平均利用時間も総体的には24.44分だが、年齢とともに長くなる。1歳未満は8.53分でどどめられているが、2歳以上3歳未満は45分まで一気に延びる。

■子どもの健康的な睡眠パターンは、親の「習慣づけ」の結果?

調査結果にはタッチスクリーンと睡眠の質の関連性が明白に示されている。睡眠時間や眠りの深さには個人差や年齢差があるという点を考慮にいれても、タッチスクリーンの利用時間が長い幼児ほど夜間の睡眠が浅く、代わりに昼寝の時間が長くなる傾向が強い。

また総体的な睡眠時間が短く、寝つきも悪い。タッチスクリーンの利用が1時間延びるごとに、1日の合計睡眠時間が平均15.6分短縮されたとの結果が報告されている。夜間の睡眠時間は26.4分減るのに対し、昼寝の時間は10.8分増える。ただし夜間に目覚めた回数との関連性は発見されなかった。

こうした結果が報告された原因として、ロンドン大学は以下のような仮説をたてている。タブレットやスマホといったデバイスにかぎらず、「就寝前にデジタルメディアを利用する行為自体が就寝時間を遅らせる」という報告は、けっして耳新しいものではない。スクリーンから発行するブルーライトが睡眠に必要なメラトニンの分泌を妨げるほか、幼児の脳にとっては鑑賞したコンテンツが心理的・生理的刺激となりかねない。

またある程度年齢のいった子どもや成人とは異なり、幼児の睡眠パターンは確立されていない。周囲に就寝時間であることを促されて、初めて床に就くという幼児も多い。つまり子どもの健康的な睡眠パターンは、親の「習慣づけ」の結果に左右されるということになる。

■「細かい手先を使う動きの発達に貢献」との報告も

それではタブレットやスマホは幼い子どもにあたえない方が賢明なのだろうか。調査レポートの責任著者であるロンドン大学のティム・スミス博士は、「タッチスクリーンの操作(スワイプ、タップなど)が細かい手先を使う動きの発達に役立つ」という調査結果が昨年報告されていることから、「現時点で結論づけるのは難しい」 としている。

指先は子どもの発達に大きな影響をあたえる感覚刺激器官とされ、指先を使えば使うほど神経や脳の発達を促進するといわれている。特に思考力・記憶力・運動能力などをつかさどる大脳を活発化するため、幼児の指先あそびは「脳を発達させる運動」として推奨されている。

タッチスクリーンを活用したテクノロジー自体の歴史が浅く、長期的な影響なども判明していない。ロンドン大学によると、タッチスクリーンが子どもにあたえる影響に関する調査は前例がないそうだ。スミス博士は「より深い研究を進めていく必要がある」とコメントしているが、子どもをもつ親としては、悠長に「結果」を待っているのも気が気でないだろう。

デジタル・デバイスが子どもにあたえる影響については、すでに多くの調査結果が報告されている。タッチスクリーンもデジタル・デバイスであることは間違いない。常識の範囲ではあるが、過度のデジタル化から子どもを保護し、テクノロジーの恩恵を賢く利用するに越したことはない。(アレン琴子、英国在住フリーランスライター)

最終更新:4/19(水) 6:40
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