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東芝半導体、日本勢抱き込みが鍵 技術流出の懸念払拭を狙う

SankeiBiz 4/20(木) 8:15配信

 東芝が進める半導体子会社「東芝メモリ」の売却交渉をめぐり、売却先候補となっている台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業が子会社のシャープと組むほか、米半導体大手ブロードコムに産業革新機構や日本政策投資銀行が合流する案が浮上した。競争力を持つ技術の海外流出に対する政府の懸念を和らげるのが狙い。日本企業を巻き込んだ連合づくりが、今後の交渉を有利に運ぶ鍵になりそうだ。

 東芝メモリ売却の入札では、2兆~3兆円の買収金額を提示した鴻海とブロードコムのほか、提携関係にある米半導体大手ウエスタンデジタル(WD)、韓国半導体大手SKハイニックスの4陣営が売却先候補として残っている。

 このうち、最もめまぐるしい動きを見せるのが鴻海だ。米アップルに共同出資を求め、トップ同士の関係が深いソフトバンクグループに支援を要請したのに続き、傘下のシャープにも出資させる意向だ。入札で3兆円規模と最大の買収額を提示しただけでなく、陣営づくりにも余念がない。

 背景には政府が安全保障上の観点から、軍事転用できる東芝の半導体メモリー技術の中国・台湾勢への売却を警戒し、「外国為替及び外国貿易法(外為法)」に基づいて阻止する構えをみせていることがある。連合で鴻海色を薄め、政府の矛先をかわそうとしている。

 鴻海の仕掛けに対抗し、ブロードコムやSKハイニックスも日本の企業や投資家を巻き込むことで、政府のお墨付きを得ようと動き出した。最初の入札に参加した日本企業はゼロだったが、政投銀や革新機構は2次入札からの参加を模索中で、ブロードコムは政府系の両社を取り込んで日米連合を組み、交渉を円滑に進めようとしている。

 ブロードコムは半導体大手だが、通信用が主力であり、買収時に必要な各国当局の独占禁止法の審査が、直接の競合相手のWDやSKハイニックスほど重くないとみられており、有力候補との見方もある。

 だが、こうした売却交渉の行方を混沌(こんとん)とさせているのがWDの動きだ。半導体メモリーの共同生産で結んだ契約をたてに、他社への売却を拒否する構えで、独占交渉権を要求。とくにブロードコムへの警戒感を強めているもよう。東芝が交渉を強行すれば、訴訟に発展する恐れもある。東芝は5月中旬にも2次入札を行う予定だが、WDとの調整が必要になったことで、手続きは当初より遅れているという。

最終更新:4/20(木) 8:15

SankeiBiz