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「ジュゴンの海、大切に」 口承多く たたりも

琉球新報 4/19(水) 17:03配信

 ザンをいじめるとたたりが起きる―。人魚伝説のモデルとなった国の天然記念物ジュゴン。沖縄にはジュゴンに関する口頭伝承は数多くあるが、いずれもジュゴンを虐げるような扱いをすれば不吉な事態を招くという趣旨で言い伝えられてきた。ジュゴンの食(は)み跡が確認されていた名護市の大浦湾では、近く辺野古新基地建設に伴う埋め立て工事が開始される予定で、ジュゴンに思いを寄せる関係者は不安を募らせている。


 名護市の大浦湾と辺野古崎はジュゴンの希少な生活圏として知られる。だが、沖縄防衛局が新基地建設に伴い実施した調査では、大浦湾に大型コンクリートブロックが投下された2015年1月以降、ジュゴンは確認されていない。


 著書「琉球妖怪大図鑑」の中で、ジュゴンの神話を紹介した作家の小原猛さんは「八重山の『明和の大津波』もジュゴンのたたりだと言われている。生活環境を脅かすと大変なことになりかねない」と話す。

 ジュゴンの伝説について沖縄防衛局に質問すると「仮定の質問にはお答えできない。沖縄の負担軽減のために最大限の努力をしていることを理解いただきたい」との回答が返ってきた。

 幼少期から人魚伝説を聞いていたという名護市の大城喜代美さん(67)は「わざわざ(ジュゴンを)いじめたり、環境破壊をしたりして誰が得をするのか。人間の傲慢(ごうまん)が過ぎるといつか不吉なことが起きるかもしれない」と話した。(当銘千絵)

琉球新報社

最終更新:4/19(水) 17:03

琉球新報