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情報BOX:英首相が総選挙前倒し表明、今後予想される展開

ロイター 4/19(水) 10:43配信

[ロンドン 18日 ロイター] - 英国のメイ首相は18日、6月8日に総選挙を前倒し実施する意向を表明した。選挙実施に必要とされる手続きと政治的な影響についてまとめた。

<どのような手続きが必要か>

解散総選挙の手続きは従来よりも複雑になっている。2011年議会期固定法が施行される以前は、政府は必要に応じて議会を解散して選挙を行うことができたが、同法によって総選挙は5年ごとに行われることになった。

前倒しで総選挙を行うには、下院は総定数(650議席)の3分の2以上の賛成により選挙実施の動議を可決する必要がある。つまり、434の賛成票が必要となる。

メイ首相は動議を19日に提出すると述べている。可決した場合、下院は総選挙の25営業日前に解散となる。6月8日に選挙実施ならば、5月3日に解散となる計算だ。

メイ首相の与党・保守党は現在、下院で330議席を握り、最大野党の労働党は229議席。労働党は解散総選挙に賛成すると表明しており、両党の議員全員が党の方針に従った場合、559の賛成票が集まり、動議が成立するとみられる。

<メイ首相が前倒しを決めた理由>

メイ首相はこれまで繰り返し、解散総選挙の可能性を否定してきたため、方針を急転換したことになる。昨年6月の国民投票で欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)が決まって以降、メイ首相は総選挙を実施するよりも政治の安定が必要と強調してきた。首相は総選挙前倒しを表明するにあたり、議会の分裂がすでに政治の安定を脅かしていることを示唆した。

首相は「国家の極めて重要なこの時期に議会は結束すべきだが、実際は分裂している」と批判した。

メイ氏はまた、「国民投票後に金融・経済危機に早期に陥るとの予想があったにもかかわらず、消費者信頼感は高水準を維持、雇用数は過去最高に達し、経済成長率はあらゆる予想を上回ってきた」と指摘し、政府の成果を強調した。

エコノミストらは、足元の英経済が相対的に堅調であることから、総選挙実施の時期としては適していると分析。

英政府は下院で17議席分と小幅な過半数しかないため、メイ首相は選挙前倒しを決める際に与党の高い支持率を示す世論調査に影響を受けた可能性がある。

ICMが18日行った調査によると、保守党の支持率は労働党を18%ポイント上回っており、ここ1週間の各種調査では20%ポイント以上の差が示されている。

ブックメーカー(賭け業者)などによると、保守党が選挙で過半数を獲得する確率は80%と高く、労働党は2%となっている。

<ブレグジットへの影響>

メイ首相は、総選挙の結果によってEU離脱の日程が変わることはないと表明している。選挙で勝利した場合、首相は国内の求心力だけでなくEUとの交渉に向けた基盤を強化することができる。

同氏は昨年、辞任したキャメロン前首相に代わり首相に就任しており、総選挙に勝利した経験がない。

6月の選挙に勝利すれば、次の総選挙は2022年となり、ブレグジットによる経済への悪影響が出た場合に対処する時間的余裕が生まれることになる。

最終更新:4/19(水) 12:40

ロイター