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足利学校大成殿に初の本格調査 「修理し国重文指定を目指す」

産経新聞 4/19(水) 7:55配信

 史跡足利学校(足利市昌平町)の建造物の一つで、孔子を祭る大成殿が平成29年度、修理保存に向けて初の本格調査を実施することになった。東日本大震災の影響で倒壊の危機にあり、市が国に働き掛けていた。江戸時代初期の建築で、孔子廟大成殿としては国内最古とされ、国重要文化財に指定される可能性も高い。 (川岸等)

 ◆国内最古の1668年建造

 大成殿(聖廟)は孔子廟内にある建造物で、寛文8(1668)年に建てられ、木造平屋の約140平方メートル。第13世庠主(しょうしゅ)(校長)の伝英(でんえい)元教(げんきょう)が江戸幕府に願い出て、贈られた銀50貫で入徳門(にゅうとくもん)・学校門・杏壇門(きょうだんもん)と共に整備した。中国明代の様式を模しており、閑谷(しずたに)学校(岡山県備前市)の孔子廟(国重文)より30年以上も古い。

 足利学校の創建は定かではないが、何度か火災に遭い、方丈などは焼失後再建しており、共に江戸時代の建造物の大成殿と学校門は極めて貴重。大正10(1921)年、学校敷地とともに建造物も含めて国史跡に指定された。幕末の志士、吉田松陰らが来訪し、特に江戸時代後期の画家、渡辺崋山が忍び込み、大成殿内の孔子座像の胎内銘を見ようとしたことが知られている。

 ◆仮設の支柱で補強

 東日本大震災では、建物全体が前方に傾き、建物の裏側に仮設の支柱を建てて補強した。昨年の熊本地震後、足利学校管理事務所が文化庁に早急の修理を求め、現状を報告。文化庁職員が現地視察した。

 今年度、調査費200万円が計上され、専門家が今後の修理整備方針を立てることになった。江戸時代以降、約60年ごとに計5回、瓦や屋根の部分修理など実施し、昭和49年の修理では創建当時の柱など主要部材が使用されていると報告されている。同管理事務所は「約350年の風雪に耐えてきた貴重な建造物。本格的に修理し、国重文指定を目指したい」としている。

最終更新:4/19(水) 7:55

産経新聞