ここから本文です

米原子力空母いまだインドネシア海域 中朝に圧力じわり

産経新聞 4/19(水) 7:55配信

 【ワシントン=黒瀬悦成】米軍事専門週刊紙ディフェンス・ニューズ(電子版)は17日、トランプ政権が朝鮮半島近海に急派したと報じられた原子力空母カール・ビンソンを中心とする第1空母打撃群が、15日の時点で朝鮮半島から遠く離れた南半球のインドネシア海域を航行していることが分かったと報じた。

 日本政府高官は「カール・ビンソンは非常にゆっくりと北上している。途中、海上自衛隊との共同演習なども行う。朝鮮半島近くまで来るのは今月末頃となる」と述べ、第1打撃群の戦略的な狙いを次のように指摘する。

 「米軍としては、トランプ大統領の要請を受け中国が北朝鮮に圧力をかけている事情を勘案し、一定の猶予を与えるため時間をかけて朝鮮半島に近づいている。と同時に、日米同盟の堅固さと一体性を見せつけるためだ」

 同高官は、「米国は中国に、そんなに時間を与えていない」とも話した。

 米海軍は今月9日、ハリス米太平洋軍司令官の命令を受け、シンガポールを出港した第1打撃群を朝鮮半島近海に向かわせたと発表した。

 しかし、同紙によると第1打撃群はその後、朝鮮半島に向けて北上せず、逆にシンガポールから数百キロ南方のインド洋で以前から予定されていたオーストラリア海軍との演習に参加していた。15日に米海軍が発表した写真で第1打撃群が同日、インドネシアのジャワ島とスマトラ島の間にあるスンダ海峡を通過したことが判明した。韓国の聯合ニュースも17日、第1打撃群は北朝鮮の朝鮮人民軍創建記念日に当たる25日頃に日本海に到着すると伝えた。聯合ニュースは当初15日にも到着すると報じていたが、「最短距離を進んでいないことが分かった」としている。

 第1打撃群が朝鮮半島近海に近づいていると米国や海外のメディアが一斉に報じていることについて、米海軍高官はディフェンス・ニューズに「そのような事実を発表したおぼえはない」と指摘した。

 また同紙によればマティス国防長官は11日、「現時点で(第1打撃群を)北上させる特段の要求信号や理由はない」と述べた。

 米国としては、中国による外交努力の行方を見極めながら朝鮮半島に徐々に接近して北朝鮮の挑発行動に備える構えとみられる。

最終更新:4/19(水) 8:21

産経新聞