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日米「忍耐の時代終わった」 中国へ対北制裁強化迫る 首相とペンス氏会談

産経新聞 4/19(水) 7:55配信

 安倍晋三首相とペンス米副大統領との会談には、日米が固く結束して軍事挑発を繰り返す北朝鮮と、その後ろ盾となってきた中国に圧力をかける狙いがあった。カメラが入った会談冒頭のやりとりが発したメッセージは明確である。

 安倍首相「トランプ政権が(オバマ前政権時代の)戦略的忍耐という考え方ではなく、全ての選択肢がテーブルの上にあるとの考え方で対処しようとしていることを評価する」

 ペンス氏「日本が日本海を通じ、絶えず北朝鮮の挑発を受け続けている非常に厳しい状況をよく理解している。戦略的忍耐の時代は終わった」

 東アジア情勢の近年にない緊迫を受け、安倍首相ははっきりと「強い米国」の復活を歓迎し、ペンス氏もそれに力強く応じた連携プレーの場面だった。

 長年、北朝鮮を時に甘やかし、時にかばって結果的に核・ミサイル開発を許してきた中国に対して、対北制裁強化を急ぐように暗に迫ったものでもある。

 「中国に、北朝鮮から石炭を買うことを確実にやめるように言うべきだ」

 実は安倍首相は、6日のトランプ大統領との電話会談でこう助言していた。詳細は明らかにされていないが、トランプ氏はその直後の中国の習近平国家主席との会談で中国に対し、北朝鮮制裁のさらなる強化を迫っている。

 「米国がシリア攻撃の時間を、米中首脳の夕食会の最中に選んだのはわざとだ。中国もトランプ氏相手では、(対北融和派の)オバマ氏同様にはいかない。会談では相当やり込められたことだろう。今では、中国も対応せざるを得なくなっている。北朝鮮にはそれが何より効く」

 安倍首相は周囲にこう語っている。日本にとっては、「北朝鮮にのびのびさせていた」(政府高官)オバマ前政権よりも、トランプ政権の方が歩調を合わせやすいのである。

 中国による北朝鮮の石炭輸入をめぐっては、これまでの北朝鮮の度重なる国連安全保障理事会決議違反のミサイル発射などを受け、今年1~3月の輸入量が前年同期比51・6%減となっている。これが仮に全面禁輸となれば、北朝鮮にとっては大打撃となる。

 さらに、北朝鮮が中国からの輸入に依存する石油が止まれば、北朝鮮は軍事行動どころではなくなる。米国はこの点についてもかねて検討してきたという。

 また、原子力空母カール・ビンソンを中心とする第1空母打撃群が時間をかけて朝鮮半島近海に近づくのも、北朝鮮と中国から前向きな対応を引き出すため、日米同盟の強い結束を示すことを狙ったものだ。

 「米国もそう簡単には武力行使はしないだろうが、米国は核には厳しい」

 安倍首相はかねてこう指摘してきた。事態は決して楽観を許す状況にはなく、日米は北朝鮮と中国に働きかけを強めていく考えだ。ペンス氏との会談後、首相は周囲にこうも語った。

 「今回の日米会談は、北朝鮮よりもむしろ中国に大きく響く。北は強がり続けるだろうが、米国に武力行使されて困るのは中国の方だ」(阿比留瑠比)

最終更新:4/19(水) 7:55

産経新聞