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米ニュース各局、トランプ効果で視聴者急増 支持率低下で潮目に変化か

産経新聞 4/19(水) 7:55配信

 【ワシントン=小雲規生】トランプ政権が誕生したばかりの米国で、ケーブルニューステレビ3局が活況を呈している。各局の視聴者数はトランプ大統領に対する立場にかかわらず大幅に上昇。各局の人気キャスターらもトランプ氏との関わりで話題を振りまいており、「トランプ効果」の恩恵を受けている形だ。ただしトランプ氏の支持率低下が潮目の変化につながるとの見方も出ている。

 「20年の歴史のなかで最高の四半期だった」

 ケーブルニュース首位で保守系のFOXニュース・チャンネルは1~3月期の視聴者数を誇らしげにアピールしている。平均視聴者数171万3千人は前年同期比27%増。CMへの反応が強い25~54歳の年齢層に限れば、伸び率は32%増にまで高まる。

 また2位のCNNテレビの平均視聴者数は12%増で、1~3月期としてイラク戦争が始まった2003年以来14年ぶりの多さ。3位のMSNBCテレビは55%増という3局のなかで最高の伸びをみせた。

 要因は1月20日に発足したトランプ政権の動向だ。各局は中東・アフリカ各国からの入国一時停止措置やトランプ氏とロシアをめぐる疑惑、医療保険制度改革(オバマケア)改廃法案に関わる混乱などを詳報。最近は、米軍によるシリアのアサド政権軍に対するミサイル攻撃や、北朝鮮による弾道ミサイル発射への対応などに時間を割いている。

 トランプ氏をめぐっては各局の出演者自身が話題になることもしばしばだ。

 トランプ氏が3月に「オバマ前大統領に電話を盗聴された」とツイートした際には、MSNBCのミカ・ブレジンスキー氏が「トランプ氏に対して完全に希望を失った」と発言。涙をこらえたような沈痛な表情には共感と批判の両方がわき上がった。

 また1月の就任前の記者会見では、CNNのホワイトハウス担当記者がトランプ氏から、「お前はフェイク・ニュースだ」と罵倒されて話題に。逆に2月の施政方針演説後にCNNのコメンテーターが内容を高く評価したことは、リベラル層の反発を招いた。

 一方、トランプ氏と個人的な親交があるFOXニュースの看板キャスター、ビル・オライリー氏は今月1日、5人の女性に対するセクハラ問題の和解金として総額約1300万ドルを払っていたことが発覚。20社以上がオライリー氏の番組への広告出稿を取りやめ、CM時間が半分以下になる事態に発展した。

 トランプ氏は5日のインタビューで「ビルが悪いことをしたとは思わない」と述べてオライリー氏を擁護した。しかしトランプ氏の支持率は各世論調査の平均値で一時は40%を割るなど低空飛行を続けており、米メディアでは「トランプ氏の不人気はFOXニュースへの逆風になる可能性がある」との声も出ている。

最終更新:4/19(水) 8:10

産経新聞