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<金融リポート>不動産向け融資、リスク管理強化求める

毎日新聞 4/19(水) 20:49配信

 日銀は19日、金融システムの現状や課題を分析した「金融システムリポート」を公表した。過熱ぶりが指摘されている不動産向け融資について、2008年のリーマン・ショック時並みに不動産価格が急落した場合に地方銀行と信用金庫の約4割が、最終赤字に転落するとの試算を初めて公表。リスク管理の強化を求めた。

 地銀の不動産向け融資は、超低金利や、相続税対策のアパート・マンション(アパマン)建設の増加を背景に急拡大している。リポートでは、地銀の不動産業向け貸出額が、経済状況などから推計した妥当な水準からどれだけ離れているかも試算。この結果、九州・沖縄で18.9%、中国で11.2%、東北で10.2%も過剰融資になっていた。アパマンへの貸し出しの際に、周辺物件の入居率や、人口動態を踏まえた需給動向の分析も行っていない地銀は7割前後に達し、十分な審査が行われていない実態も明らかになった。

 また、リポートでは、地銀が債券などの有価証券を売却して利益の減少を補う「益出し」の実態も初めて明らかにした。最終利益に占める有価証券売却益の割合が5割を超えた地銀・信金は、13年度上期の19行に対し、16年度上期は27行に急増していた。

 日銀金融機構局は「人口減少で構造的に収益に下押し圧力がかかる中で、益出しで補い続けるのは限界がある。抜本的な収益力強化の取り組みが必要だ」としている。【坂井隆之】

最終更新:4/19(水) 20:49

毎日新聞