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<英総選挙>保守党、圧勝の予想 支持率、労働党に大差

毎日新聞 4/19(水) 23:36配信

 【ロンドン矢野純一】英下院は19日、解散・総選挙実施の動議を可決し、6月に総選挙が行われることになった。メイ首相が総選挙の前倒し実施を表明した18日の緊急世論調査では、与党保守党が労働党に21ポイント差を付けており、保守党の圧勝が予想される。欧州連合(EU)との離脱交渉を控え、メイ氏は総選挙での勝利で政権基盤を固めて野党を抑え込む狙いだが、圧勝の予測に反発してバランスを取ろうとする層が増えるとの見方もあり、思惑通りになるかは不透明だ。

 世論調査会社「ICM」の調査結果によると、保守党支持は46%で労働党は25%。21ポイント差は保守党のサッチャー政権時代の1983年6月に記録して以来の開きとなった。

 英メディアも保守党の地すべり的な勝利を予測。19日付の英紙タイムズは現時点の世論調査を基に、保守党が382議席を獲得し、第2党の労働党との議席数の差は現状の101議席から200議席になると予想している。

 一方、世論調査会社「YouGov」が12~13日に実施した世論調査では、EU離脱支持者45%に対し、残留支持は43%で、国論は二分されたままだ。ただ「ICM」の調査では、総選挙の意味を「離脱の是非を問う2度目の国民投票」と位置づける割合は17%にとどまり、多くの国民が昨年6月の離脱を決めた国民投票の結果を受け入れている。

 総選挙実施の方針を受けて、労働党のコービン党首は「教育や医療の支出を減らした政府に対抗する選択肢を提示する」と宣言。国民投票の結果を受け入れる方針を示しており、離脱の是非を蒸し返すよりも、内政問題を訴える。EU加盟を目指して独立を問う2度目の住民投票の実施を計画しているスコットランド民族党(SNP)のスタージョン党首は「スコットランドの声を表明する機会だ」と独立を求める声を総選挙に反映させる方針だ。

 保守党の圧勝を阻止するため、緑の党が労働党や自由民主党に選挙協力を呼びかけているほか、労働党を除く野党連合を結成する動きもある。保守党の圧勝を嫌う反動が起き、保守党の議席数が伸びない可能性もある。

 保守党が大勝した場合、EUとの交渉は基本方針通り、移民を抑制し、EUの単一市場とは関税をかけて取引することで協議を進めるとみられる。ただ、保守党が現状維持か議席を落とした場合は、野党が求める、単一市場とのこれまで通りの無関税貿易のほか、移民の抑制も緩やかなものになる可能性もある。

 英ロンドン政治経済学院(LSE)のティム・オリバー特別研究員(英国政治)は「選挙を経ても国民投票による国内の分断は続く。英国全体としての戦略が不透明で、移民や経済、国際社会での英国の立ち位置は不確実だ。総選挙はメイ氏に忠誠を誓う新しい議員を増やして政権運営を容易にするだけで、党内の分断を癒やすだけだ」と指摘する。

最終更新:4/19(水) 23:36

毎日新聞