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【ラグビーコラム】U-18日本代表と高校選抜とどちらが重要? 東福岡と桐蔭学園のそれぞれの考え方

サンケイスポーツ 4/19(水) 15:00配信

 【ノーサイドの精神】ラグビーの全国高校選抜大会は、神奈川・桐蔭学園の初優勝で9日に幕を閉じた。その春の祭典で、今季は異例の事態が起きた。今月フランスで開催されたU-18(18歳以下)欧州選手権に日本代表が招待されたため、東福岡は選抜大会期間中に8人の選手を代表に送り出した。一方、優勝した桐蔭学園の選出は0人。選手の意見もくみながら、原則的には選抜出場を優先したのだ。

 一部の選抜大会関係者からは、東福岡の判断を「大会軽視」という不満の声が上がった。対する桐蔭学園へは「代表軽視」という“小言”が聞かれた。だが、これは高校指導者が、文句をつけられる問題だろうか。

 東福岡には選手に高いレベルの経験をさせたいという思いがあり、桐蔭学園は、多くの強豪大学指導者やセレクターが視察する選抜でプレーさせることが、選手にプラスだと考えたに過ぎない。ともに、それぞれの考え方で選手の将来を思い、判断しただけだ。

 ある高校指導者は、こう指摘する。「選抜とU-18日本代表は、一体どちらが重要なのか。協会が、それぞれを、どう重視して、どう位置づけているかを、しっかりと示してほしい」。ユース世代の強化・育成の理念がしっかり確立されていれば、こういう危惧は回避されるはずだ。

 この問題の本質は、縦割り組織の弊害だろう。U-18の派遣は日本ラグビー協会のユース世代の選手強化・育成部門の管轄だが、選抜大会の主導権を持つのは高体連だ。協会、高体連という異なる2つの組織が取り仕切っているのだが、より一体感を持って、さまざまな事業に取り組むことが不可欠だ。

 なぜなら“船頭”が2人でも、船に乗っているのは、日本ラグビーの将来を担う高校生たちだからだ。(吉田宏)

最終更新:4/19(水) 15:00

サンケイスポーツ