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「意図的な変化」が未来をつくる~『ひるね姫』『攻殻機動隊』神山健治監督×Niantic, Inc. 川島優志

4/19(水) 15:26配信

SENSORS

夢と現実、世代間の境界を超越する作品『ひるね姫』に挑んだ神山監督と、『INGRESS』、『ポケモン
GO』により現実とバーチャルの境界を溶かしたNiantic, Inc. の川島氏によるスペシャル対談。
変化の激しい不透明な時代に“変わらない存在“で居続けるためには人も、会社も、国も、「意図的な変化を生み出す必要がある」と語る神山監督と、人や作品との出会いを紡ぐことにより大きな未来につながると語る川島氏。映画とARゲームのトップランナーの言葉から、混沌とした時代のなかで、一歩一歩未来に進むためのヒントを読み解く。

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■インタラクティブ性のある映画づくりに挑む

--まず、神山監督に伺います。最新作『ひるね姫』を作る上で気をつけたことを教えてください。

神山: 311以降、私のなかで物語を描くことの意味が大きく変わりました。 いままでのヒーロー像、政治的なメッセージやアクションを描くことが受け入れられた時代とは変わって来ている、と感じていまして。その変化は、ファンの方にも、作り手にも、日本を動かしているもののなかにも感じています。同時に、若い世代が上の世代がつくってきたルールと全く別のものを見ていて、若い世代独自ルールで動かしているものも感じていて。その若い世代を描いてみることで何かが見えてくるのではないか?と思いながら『ひるね姫』は作りました。結論有りきではなく、ある意味手探りなアプローチで進めたのですが、結果として、ココネ(主人公、高校生)というキャラクターは描いてとても楽しかったです。

作品を作る時って不思議なもので、自分の中でカチっとゴールが見えている場合もあれば、作り終えてみて初めて自分が何を作っていたか?気づくこともあるんです。 いままでもTVシリーズだと、途中で観た方の反応が返ってくると結論に影響することもありインタラクティブ性が少なからずあるのですが、映画でもインタラクティブ性が出てきていることを今回感じました。公開から3週くらいたって、『ひるね姫』は自動運転車を作ろうとしたエンジニアとプログラマーの夫婦の話でもあるんだけど、あの夫婦がきせずして作った一番の自動運転車はココネだったのかと、お客さんの反応から再認識するという発見もありました。 映画の最終完成系はお客さんの反応次第で決まってくる。そういう意味で映画にもインタラクティブ性っていうのはあるんですよ。『ひるね姫』そのものにフィードバックされなかったとしても、今後自分が作って行く作品にはフィードバックされるだろうなぁとか。『攻殻機動隊』とは違う、新しい試みで作品を作ってみて気がついたことはそんなことだったりします。

川島: ココネが“自動運転車“という視点は凄く面白いですね。語り聞かせた物語がプログラムになっている、というような。物語の途中で巨大ロボものに突然なるじゃないですか。唐突だと思いましたが、あれもエンジニアの父親がココネに語り聞かせた話ならば、すっと腑に落ちて逆にリアリティがある。私自身も子供が寝る時に作り話を聞かせていると、最初は昔話のように始まったのに、いつのまにか自分の好きな話や得意分野の話になってしまう。それを聞いて、あるいはそのプログラムから、子供は自分の中で新たな世界を膨らませていくんだろうな、と。『ひるね姫』のココネとお父さんのやりとりにはリアリティを感じました。

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最終更新:4/20(木) 16:30
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