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ハッカーの系譜(11)スタートアップを養成する「Yコンビネーター」 (1) 世界に衝撃を与えたインターネットワーム

THE ZERO/ONE 4/19(水) 14:50配信

「世界を変えるような新しいアイディアはすべてがシリコンバレーで生まれている」と言われる。すべてというのは大げさにしても、新しいアイディアの多くがシリコンバレーから生まれていることは確かだ。なぜなら、新しいことをやりたい若者は、全米中から、そして今では世界中からシリコンバレーに移住をして、スタートアップを起業するからだ。

スタートアップを支援する組織

この循環を加速しているのがアクセラレーターと呼ばれる企業だ。スタートアップ志望の若者を公募し、有望なチームはシリコンバレーにきて、3ヵ月間みっちりと開発をおこなわせる。その間、アクセラレーターは会社設立のための法的支援、ビジネスプランに対するアドバイスなどをおこなう。ハイライトは、最終日のデモデーだ。世界中から投資家たちが集まり、その前で各チームは自分たちのプロダクトをプレゼンテーションし、売りこむ。有望な企業は、その場で投資の話がまとまっていく。

その中でもとりわけ有名なのがYコンビネーター(Y Combinator)だ。Yコンビネーターからは、ファイル共有サービスの「Dropbox」、民泊の「Airbnb」などの成功例が生まれている。

Yコンビネーターを創業したのは、ポール・グレアム、ロバート・モリス、トレバー・ブラックウェルの3人だ。3人はいずれも元ハッカーで、3人でビアウェブというスタートアップを起業し、ヤフーに売却することで、大金をつかむことに成功した。しかし、3人とも最初からスタートアップ志望ではなかった。ブラックウェルは生粋のエンジニアで、何かを作る会社をつくりたがっていたが、グレアムはコンピューター科学を専攻しながらも画家になることを夢見ていた。モリスは学究肌でアカデミズムの道を進んでいて、どちらかというとビジネスは苦手だった。

そんな3人、とくにグレアムとモリスが出会い、ビアウェブを創業しなければ、現在のYコンビネーターも存在しなかったことになる。二人がスタートアップを起業したことには、その7年前のある事件が関係している。それは1988年の「暗黒の木曜日」に起きた事件だった。

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最終更新:4/19(水) 14:50

THE ZERO/ONE