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デスパイネ恩返し弾、試合後はしんみり「応援されてるような気持ちだった」旧交と礼を尊ぶ助っ人

西日本スポーツ 4/19(水) 6:50配信

 工藤ホークスが豪快にトンネルを脱出した。古巣ロッテの本拠地に初見参となったアルフレド・デスパイネ外野手(30)が5回に勝ち越し2号3ラン。左中間席深くまで運ぶ2戦連続のアーチでチームの連敗を4で止めた。今季初の2戦連続2桁安打で2桁得点は10試合ぶり。ロッテ戦はヤフオクドームでの開幕カードに続き今季無傷の4連勝となった。このままずっとロッテと戦いたいデス…。

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 昨季までのホームがデスパイネを待っていた。同点とした5回、なお2死一、二塁。ZOZOマリン上空の風は左翼から本塁方向へ吹き続けていたが、試合前の秒速10メートルが、1メートルになっていた。1ストライクから2球目のつり球を我慢し、高く入った石川の3球目を一閃(いっせん)。誰もオーバーフェンスを疑わない左翼への打球は、スタンドの上の壁で跳ね返った。

 「打った瞬間、です。ウッチー(内川)が歩かされるのは頭になかった。燃えた。何とか結果を出したい、それだけだった」

 2死二塁で内川が敬遠気味に歩かされた。初回から連続打点の内川に、凡退のデスパイネ。後者勝負を選んだ古巣へ強烈に恩を返した。15日に福岡で放った移籍1号は空砲。WBCでも火花を散らした昨日の友・石川相手に、試合中止の16日を挟んで2戦連発だ。

 「一番燃えてほしいところ。よく打ってくれた」とはわが意を得たりの工藤監督。「昨日(休日の17日)も練習し、感じをつかみつつあると聞いてた。何とかしてくれる、と」。球場隣の室内で「あのカーブマシンが打ちたい」と慣れた練習に励んだ懸命さ。試合でも3回の三ゴロ、8回の内野安打と全力疾走だった。

 指揮官は言う。「助っ人がああいう姿を見せてくれると、チームにある意識がさらに高まる」。リポート通り。水面下で調査していた球団は、昨年9月時点でデスパイネに近い人物から「全力疾走を怠らない」と確証を得ていた。助っ人は試合前、練習を終えロッカーへ戻った後、ロッテ時代の通訳を探しグラウンドに顔を出した。旧交と礼を尊ぶ人柄が共感を呼ぶ。

 ベンチも5連敗阻止へ動いた。1番に今宮ではなく、出塁率を買い今季初めて中村晃。初回の四球が4戦ぶりの先取点を導いた。5回は無死二塁で中村晃に送りバントの指示。同点後、2死一塁で今宮に命じた二盗も大量点の伏線だ。5日の楽天戦以来の2桁得点。負ければ4位に並ばれる局面で対ロッテ4連勝だ。

 豪快弾の主は試合後、少ししんみりした。「自分への応援ではないと分かってるけど、3年間在籍したチーム。応援されてるような気持ちだった」。郷愁は結果で示した。マイク越しの宣言。「自分だけじゃなく全員で打ちにいってる。この調子で頑張りたい。まずリーグ優勝を目指してる」。春は出会いと別れの季節だ。

西日本スポーツ

最終更新:4/19(水) 6:50

西日本スポーツ