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「元に戻せず申し訳ない」借りた文化財、修復費3000万円 7年ぶりに返却 熊本市現代美術館

西日本新聞 4/19(水) 10:29配信

 熊本市現代美術館(熊本市中央区)は18日、企画展のために借り受け、誤って変色させた高知県指定文化財のびょうぶ絵5点の修復が終了し、約7年ぶりに絵の管理団体(同県香南市)に返したと発表した。ただ、元の状態に完全には修復できず管理団体側は「大変残念に思う」とコメントを出した。

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 びょうぶ絵は、高知県出身の絵師金蔵(きんぞう)が1800年代に、歌舞伎などの名場面を描いた作品。美術館が2010年7月、企画展のために借り受けた。会場に持ち込む際、美術館の委託業者が作品を変色させる恐れのある薬剤で殺虫・防虫処理したため、緑色の顔料に含まれる銅と薬剤が反応。酸化して黒く変色した。

 美術館は12年5月から、文化財修復の専門家の協力で薬剤の洗浄作業を進め、昨年末に修復を終えた。修復などの費用は計約3千万円で美術館が負担した。美術館の指定管理者「熊本市美術文化振興財団」の岩崎千夏事務局次長は「できる限りのことをしたが、元に戻せず申し訳ない」と話した。

=2017/04/19付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞社

最終更新:4/19(水) 10:29

西日本新聞