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「ためらわず非常ボタンを」 川崎・京急踏切2人死亡

カナロコ by 神奈川新聞 4/19(水) 19:43配信

 川崎市の京急線踏切で男性2人が電車にひかれ死亡した事故は警報灯が点滅してから電車が通過するまでの約45秒間で起きたが、踏切に設置されていた非常ボタンは押されていなかった。京急電鉄は非常ボタンの重要性を訴えている。

【事故状況図解】川崎・京急踏切2人死亡

 事故は15日午前9時10分ごろ、京急線八丁畷駅に隣接する踏切で発生した。

 川崎署によると、同区の無職男性(77)が警報灯が点滅し始めた頃に踏切内に入り、遮断機が下りた後もとどまっていたところを、横浜銀行幹部行員の男性(52)が助け出そうとしたとみられる。同署や京急によると、快特電車の運転士が70メートルほど手前で2人を発見、ブレーキをかけたものの間に合わなかった。

 踏切事故は全国各地で後を絶たない。国土交通省によると、2015年度中の事故は236件で101人が死亡している。

 京急は安全対策として、90カ所ある全ての踏切に非常ボタンを設置し、今回事故が起きた京急川崎第1踏切にも車道、歩道の両側の計4カ所に設けているという。担当者は「何か異常があれば、ためらわずにボタンを押してほしい」と呼び掛ける。

 京急によると、踏切では通常、警報器が鳴ってから約40秒、遮断機が下りてから約20秒で電車が通過する。ブレーキをかけて停止するまでに最大600メートルの距離が必要で、「電車の速度が速いと、遮断機が下りた後に非常ボタンを押しても止まれない可能性がある。事故防止のためには少しでも早くボタンを押すことが重要」と強調する。

 2005年3月に東京都足立区の踏切事故で母親を亡くし、全国の踏切事故の遺族でつくる「紡ぎの会」の代表を努める加山圭子さん(61)=横浜市神奈川区=は17日、献花に訪れた。

 「助けなければと思った救助した男性の気持ちも分かる。事故で2人も亡くなってしまい言葉がない」と話し、こう訴えた。「優しい気持ちを持った人が亡くなるのは本当に残念。まずは非常ボタンを押すという意識が広まってほしい」

最終更新:4/19(水) 21:33

カナロコ by 神奈川新聞